不妊治療について紹介します。
検査の結果、もしも妊娠を妨げる原因が見つかれば、その治療を行います。それと同時に、妊娠に向けた治療を行います。
それぞれの検査の結果をふまえ、男性部門担当医と女性部門担当医が治療方針を検討し、今後の治療について患者様にご提案します。ご夫婦のご希望をうかがい、治療を進めていきます。
ここでは、当センターで行う治療内容について紹介します。
男性の治療
ホルモン療法
抗酸化療法
抗酸化作用のある男性用サプリメントを内服していただき、造精機能(精子をつくる機能)の維持をはかります。
精索静脈瘤手術
精索静脈瘤の治療法です。精索静脈瘤は、精巣静脈の血流が逆流して瘤(こぶ)のような状態になるもので、精巣の温度上昇により精子を作り出す機能にダメージが起こると言われています。精巣静脈を結んで切断する手術により逆流を防止します。
Conventional TESE(精巣精子採取術)
高度乏精子症や閉塞性無精子症の治療法で、直視下に精巣から精子を回収する方法です。
MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取術)
手術顕微鏡を用いて精巣の中にある精細管を採取し、その中から精子を見つける方法です。
非閉塞性無精子症の治療法で、原因がわからない特発性造精機能障害、クラインフェルター症候群、がんの化学療法をした無精子症の方などが対象になります。
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タイミング療法
排卵日を特定し、それに合わせて性交渉を持つようにタイミングを指導する方法です。一般不妊治療に該当します。
治療の流れ
① 超音波検査などで排卵日を予測し、医師が性交渉のタイミングを指導(※)
② 交渉後に来院し、排卵の有無を確認
③ 妊娠判定(月経予定日の1週間後程度が目安)
※ 排卵誘発剤を使用することもあります。
人工授精
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精子を子宮腔内に注入する方法です。
できるだけ多くの運動精子を卵管内に到達させて、受精を目指すものです。一般不妊治療に該当します。
一般に卵子の受精能力は排卵後約24時間とされているため、排卵時期に実施することが重要です。また、原因不明不妊には、人工授精単独よりも排卵誘発と併用したほうが妊娠率は高いといわれています。
治療の流れ
② 専用のカテーテルを子宮内に入れて、洗浄した精子を子宮内に注入します。
③ 2~3日後に来院し、排卵の有無を確認します。
④ 妊娠判定(月経予定日の1週間後程度が目安)
細長いカテーテルを使って、精子を子宮に注入します。
生殖補助医療(ART)
体外受精(conventional IVF)と顕微授精(ICSI)は、高度生殖医療(ART)と呼ばれています。
2014年には、日本で生まれた赤ちゃんの約21人に1人がARTによって誕生しています。
体外受精-胚移植(IVF-ET)
精子と卵子を体外に取り出して、同じ容器に入れて受精を待ちます。受精卵(胚)ができたら、必要に応じて数日間培養し、子宮に移植します(ET)。
胚を凍結保存して、翌周期以降に移植する場合もあります。
顕微授精(ICSI)
胚・精子の凍結について詳しくは、こちらをご覧ください。
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体外受精・顕微授精の流れ