TAVI/TAVR

重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術

2015年に県内で初めてTAVIを開始し、これまで多くの患者さんの治療に携わっております。手術適応や術式を十分に議論し、最適な治療をご提案します。当院のTAVI症例数は年々増加しており、大動脈弁狭窄症でお困りの方を一人でも多く救えるよう努めています。

心臓・血管内科/循環器内科
助教
TAVI指導医 (SAPIEN、 CoreValve、 Navitorシリーズ) 

廣瀬 優

心臓・血管内科/循環器内科
助教
TAVI指導医 (SAPIEN、 CoreValve、 Navitorシリーズ) 

廣瀬 優

TAVI とは?

大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療で、お胸を切らずに大動脈弁を人工の弁へ置き換える方法です。主に75歳以上の方やこれまでその他のご病気で手術に耐えられないと判断された方、既に開胸手術を行ったことがある方が対象となります。太ももの付け根の太い動脈からカテーテルを通す「経大腿動脈アプローチ」が大部分を占めますが、血管の状態に応じてその他の経路を選択することもあります。大腿から治療を行なった場合、傷は1cm程度と身体への負担が非常に少ないのが特徴です。


TAVI専門施設に認定されました

当院は2015年にTAVIを開始し、治療開始から8年目となる2023年にTAVI専門施設として認定されました。さらに、開始から10年目の2025年には累計500例の治療を達成しました。今後もハートチームが一丸となり、地域医療へのさらなる貢献を目指して取り組んでまいります。


透析患者様にもTAVIが可能です

これまで透析患者さんへのTAVIは適応外とされておりましたが、適応の拡大により当院でも実施可能となりました。高齢や開胸手術が困難な方に、より侵襲度の低いカテーテル治療が選択肢に加わりましたので、お気軽にご相談下さい。 当院は様々な視点から術前に評価を行い、透析患者さんに適切な治療法を提供できるように努めて参ります。


ハートチームで
大動脈弁の治療を総合的に考えます!

TAVIは低侵襲で回復が早い治療として注目されていますが、ペースメーカーが必要となるような不整脈、留置した弁の周囲からの逆流、TAVI弁の長期耐久性など、配慮すべき点もあります。将来的に人工弁の機能不全により外科的な再治療が必要となる症例も国内外で報告されています。当院では患者様の年齢や併存疾患及び大動脈弁周囲の構造をCT検査で細かく測定し、 複数の専門医からなるハートチームでしっかりと評価・議論をし、最も適した術式 (TAVI、外科的大動脈弁置換術)をご提案します。外科的治療となった場合でも、 右小開胸での低侵襲手術もあり、負担の少ない術式を選択します。TAVIと外科手術の双方の経験を生かし、最適な治療法を提案いたします。


2回目の手術が低侵襲に行えます。

機能不全に陥った外科弁やTAVI弁に対するTAVI
(TAV in SAV、TAV in TAV)

従来は、手術時の年齢や人工弁(機械弁/生体弁)の利点・欠点を踏まえて人工弁を選択してきました。外科生体弁には多くの利点がありますが、耐久性に限界(一般に10〜15年)があり、経年劣化時の再治療は、再び外科的大動脈弁置換術を行うことが唯一の選択肢で、初回手術よりリスクが高くなる傾向にありました。これに対し、劣化した外科生体弁の内側にTAVI弁を留置するTAV in SAVは、より低侵襲に再治療を行える方法です。(※すべての方に適応となるわけではありません)。当院では栃木県内で早期に導入し、人生100年時代において、今後ますます重要性が高まる治療選択肢と考えています。


以前受けられたTAVI弁の経年劣化に対する2回目のTAVI
(TAV in TAV)

以前にTAVIを受けられた方の中には、時間の経過とともに人工弁(TAVI弁)が劣化して機能が低下する場合があります。これまでは外科手術による再置換が主な選択肢でしたが、現在はTAV-in-TAV(既存のTAVI弁の内側に新しい弁を留置する治療)が可能になりました。初回TAVIから年月を経てご高齢となった患者さんでは再手術のリスクが高くなるため、カテーテルで行うTAV-in-TAVは大きなメリットとなります。当院でもこの治療は実施可能です。ただし、すべての方に適応となるわけではありません。CTなどで解剖学的条件を評価し、専門家で構成されるハートチームで協議のうえ適応を判断します。

術者

心臓・血管内科/循環器内科
学内助教
TAVI指導医 (SAPIENシリーズ) 
TAVI実施医 (CoreValveシリーズ)

鈴木 立二朗

心臓・血管内科/循環器内科
学内助教
TAVI指導医 (SAPIENシリーズ) 
TAVI実施医 (CoreValveシリーズ)

鈴木 立二朗

心臓・血管外科
助教

加藤 昂

心臓・血管外科
助教

加藤 昂

心臓・血管内科/循環器内科
助教
TAVI実施医 (SAPIENシリーズ)

横山 昌平

心臓・血管内科/循環器内科
助教
TAVI実施医 (SAPIENシリーズ)

横山 昌平

他院出向中術者

心臓・血管内科/循環器内科
学内講師
現 足利赤十字病院 循環器内科 副部長
TAVI指導医 (SAPIENシリーズ) 

戸倉 通彰

心臓・血管内科/循環器内科
学内講師
現 足利赤十字病院 循環器内科 副部長
TAVI指導医 (SAPIENシリーズ) 

戸倉 通彰

心臓・血管外科
学内助教
現 前橋赤十字病院 心臓外科 副部長
TAVI 指導医 (CoreValveシリーズ) 

武井 祐介

心臓・血管外科
学内助教
現 前橋赤十字病院 心臓外科 副部長
TAVI 指導医 (CoreValveシリーズ) 

武井 祐介

特徴

  1. 1. 患者様に適した治療法 (開胸による大動脈弁置換術、
    TAVI)を提案いたします。
  2. 2. 大腿動脈アプローチだけなく、頸動脈、鎖骨下動脈、
    心尖部と様々なアプローチからTAVIを行います。
  3. 3. 既に大動脈弁置換術(外科弁、TAVI弁)を行った
    患者さんに低侵襲に2回目の手術を
    TAVIで行うことができます (TAV in SAV、TAV in TAV)。
  4. 4. 透析患者さんにもTAVIが可能です。

メッセージ

患者さんへ

私たちは患者さんの生活に寄り添い、納得いただけるまで丁寧にご説明し、最適な治療法をご提案します。TAVIは主に70代後半以降の方で検討されることが多い治療ですが、年齢だけで適否は決まりません。少しでも元気に過ごすための選択肢として、どうぞお気軽にご相談ください。

ご紹介の先生へ

適応判断に迷う症例も、まずはご相談ください。当院で診察・検査を行い、最適な治療法と介入時期をご提案します。弁膜症診療では早期診断・適切なフォロー・至適タイミングでの介入を重視し、先生方と緊密に連携して診療を進めます。

TAVI専門外来 心臓・血管内科/循環器内科

午前 廣瀬
午後 廣瀬

TAVI専門外来 心臓・血管外科

午前 加藤
午後 加藤