心不全治療(重症・慢性)

心臓・血管外科 准教授

柴崎 郁子

心臓・血管外科 准教授

柴崎 郁子

重症心不全治療

補助人工心臓とは、心臓のすぐ下に、血液を左心室から大動脈へ送るポンプ装置で、体外式と植込型補助人工心臓の2種類があります。体外式補助人工心臓は駆動装置から離れることができないために、入院し続けなければなりません。しかし植込型は自宅での日常生活を送ることができますが、心臓移植レシピエント登録が必要です。
当院では、2014年に多職種での重症心不全チームを立ち上げ、栃木県初の植込型補助人工心臓実施施設となりました。現在までに9名が心臓移植の申請を通過して植込型補助人工心臓を装着しています。また、心臓移植実施施設である東京大学と埼玉医科大学国際医療センターと連携し、3名が心臓移植に至っています。本来、補助人工心臓のコードが腹部から出るのが一般ですが、当院では後部耳介からのアプローチも施行しています。重症心不全の治療法に関して、多職種でのカンファレンスで、患者さんにとってベストな治療を選択しています。

心臓・血管外科 准教授

斎藤 俊輔

心臓・血管外科 准教授

斎藤 俊輔

人工心臓植え込みから
心臓移植までへの治療

心臓移植はそれ以外の内科的・外科的治療では救うことのできない重症の心不全の患者さんを治療する方法です。欧米では広く普及していますが、日本では臓器提供が少なく、毎年年間の心臓移植件数は日本全体で60件前後にとどまっています。現在、日本では心臓移植を待機中の患者さんの数は500人を超えており、その方たちのほとんどが補助人工心臓を装着して心臓移植を待っておられます。
心臓移植は、生命の危機に瀕した患者さん、ベッドの上から起き上がれない患者さん、補助人工心臓なしでは生きられない患者さんが、健康な人と変わらない日常生活が送れるようになる、画期的な治療です。この治療が行えるのは、ひとえにドナーの方とその御家族の尊い意思によるものです。
当院は現在のところ、心臓移植実施施設ではありませんが、心臓移植実施施設との密な連携体制を持ち、心臓移植に至るまでの心不全治療、補助人工心臓治療、心臓移植待機登録、および心臓移植後の診療サポートを行うことで、北関東およびその周辺の方々にも、移植医療を届ける役割を担っております。
患者さんにとってベストな治療を選択しています。

心臓・血管内科/循環器内科 学内助教

正和 泰斗

心臓・血管内科/循環器内科 学内助教

正和 泰斗

補助循環用ポンプカテーテルの導入により、
多くの患者さんを救命できるようになりました!

IMPELLA (インペラ、Abiomed Inc.)は超小型のポンプを内蔵した最新型の循環補助用心臓内留置型カテーテルあり、経皮的に挿入が可能な補助人工心臓です。日本では2017年9月に保険適用となり、当院では2018年4月と国内では早い時期より使用を開始しております。
急性心筋梗塞、劇症型心筋炎、心筋症、致死性不整脈などにより、心臓が全身に十分な血液を循環できない状態を心原性ショックと言いますが、心原性ショックの致死率は非常に高く、院内死亡率は30-50%と報告されております。薬物治療にて効果不十分の場合や、緊急的措置が必要な場合には循環補助装置の使用が検討されます。IMPELLAは体への負担が少ない上に、循環をサポートしながら心臓の負担を軽減させる事のできる唯一の経皮的循環補助装置であり、既存の装置である大動脈バルーンパンピングや経皮的心配補助装置を上回って有効である可能性があります。本装置の効能を最大化するために、欧米ではプロトコルを使用した治療の最適化が普及しておりますが、当院では国内最初期に独自のプロトコルを導入した治療を開始しました。当院では一人でも多くの重症患者さんを救うために、各科医師 (心臓・血管内科/循環器内科、心臓・血管外科、救命救急センター、麻酔科)に加え、看護師、臨床工学技士など多職種が連携し、IMPELLAを使用した高度な治療に取り組んでおります。

慢性心不全

心臓・血管内科/循環器内科 学内講師

伊波 秀

心臓・血管内科/循環器内科 学内講師

伊波 秀

心エコーチームを紹介します!

エコー検査は非侵襲的に心臓の機能を評価したり、構造を理解したりすることができる非常に有用な検査です。そのため、すべての心臓病患者さんに必要な検査と言っても過言ではありません。近年、診断装置の性能は大きく向上し、検査技術の進歩も目覚ましいものがあります。当院では熟練の医師や検査技師が高性能な診断装置を用い、最新の技術を駆使して、精度の高い検査を行っております。また、経カテーテル的大動脈弁置換術、経皮的僧帽弁クリップ術、経皮的卵円孔開存閉鎖術などの構造的心疾患に対する低侵襲手術のガイドも行っております。われわれは皆様に最適な治療を安全に提供できるよう、精進していく所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

患者さんからの声

植込型補助人工心臓を入れた後は、息切れ、浮腫、倦怠感、手足の冷えなど改善されました。呼吸も浅く、話すのもやっとだったのが、深呼吸して大きな声も出せます。日常の生活や家事、買い物や散歩もできるようになりました。また植込型補助人工心臓装着者の対応がある温泉施設に泊まりに行くこともできました。自宅療養できる事に感謝しています。

植込型補助人工心臓を入れるまでは、不安な毎日を過ごしていましたが、心臓移植申請後に手術を施行し、2ヶ月の間に体調が良くなっていくのを実感しました。退院後も大きな問題もなく仕事ができるようになり嬉しく思っています。

心不全で心臓が悪化した為、ある病院から紹介された事が獨協医科大学病院に通院するきっかけです。初めて病院に通院した時は、病院の広さ、患者さんの数の多さにびっくりしました。
心臓移植するまでお世話になりましたが、手術をした時も処置や対応が早く、技術が素晴らしいので回復が早いです。
心臓移植するまで補助人工心臓を装着して過ごすことになりましたが、資格取得をしたり、パートタイムで働きながら待機期間を過ごすことが出来ました。このような待機期間が過ごせたのは、夢と希望そして明るい道へ引っ張って下さった先生方のおかげです。
現在は、移植してフルタイムで働いています。移植後は拒絶反応なく元気に過ごせています。

特徴

  • 1. 栃木県初の植込み型補助人工心臓実施施設となり、
    現在まで3名の患者さんが心臓移植を施行しました。
  • 2. 急激な心機能の低下に伴う心原性ショックに対し
    循環補助として、Impella、VA-ECMO、IABPが
    常備してあり、緊急での治療でも使用できます。
  • 3. 心臓リハビリ、口腔ケア、創部管理など
    多職種チームでサポートします。
  • 4. 心臓移植施設である東京大学や
    埼玉医科大学国際医療センターと連携しています。
  • 5. 経胸壁心エコー検査:4410件、
    経食道心エコー検査:187件、
    負荷心エコー検査:21件
    (運動負荷:14件、ドブタミン負荷:7件) (2020年度)

メッセージ

患者さんへ

植込み型補助人工心臓や心臓移植など聞き慣れない言葉かと思います。主に遺伝的疾患である拡張型心筋症が適応となります。心臓移植は65歳以下が対象となっており、透析患者の方、癌を患われている方などで適応基準から外れます。専門医の話しを聞きたい方は外来を受診することをお勧めします。

ご紹介の先生へ

ハートセンターでは24時間体制となっています。重症心不全の治療でお困りの際には、心臓血管内科/循環器内科にご連絡下さい。当院にて責任を持って治療にあたります。また治療経過を含めご報告させて頂きます。新患は、曜日にかかわらず毎日対応しています。

内科

午前 正和 伊波 豊田 伊波
午後 正和 豊田

時間はお電話でご確認ください。
問い合わせ 0282-87-2191

外科

午前 福田 柴崎 斎藤
午後 福田 柴崎 斎藤

時間はお電話でご確認ください。
問い合わせ 0282-87-2206