腎・泌尿器
腎・泌尿器部門は、加納優治講師、鷹木雄飛助教、大和田葉子非常勤講師の腎臓専門医3名に加え、大村翔平助教を含む4名で診療にあたっております。
当部門では、ネフローゼ症候群、急性・慢性糸球体腎炎、慢性腎臓病(CKD)、末期腎不全(腹膜透析)、先天性腎尿路異常(CAKUT)、嚢胞性腎疾患、尿細管疾患、遺伝性腎疾患(Gitelman症候群、Bartter症候群、Dent病)、二分脊椎症、尿路感染症、夜尿症、排便・排尿障害など、幅広い腎・泌尿器疾患の診療を行っています。
【ネフローゼ症候群】
当院は、年間約10例の小児期発症ネフローゼ症候群を診療しております。現在フォロー中の患者さんは100名近くおられます。診療は国内外のガイドラインに基本的に準じていますが、できる限り副作用が少なく、また日常生活に支障を来さない管理を心がけております。必要な患者さんには、リツキシマブや免疫抑制薬(ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、タクロリムス、ミゾリビンなど)を使用し、ステロイドの使用量や使用期間を減らすようにしています。
【腎生検】
当院は、栃木県内でも数少ない小児腎生検が可能な施設であり、学校検尿の三次検診施設としての役割も担っています。実績としては、年間10数例の腎生検を施行しており、2025年12月までの累計症例数は300例以上です。当院では、1歳以上の患児に対し、超音波ガイド下で経皮的腎生検を施行しています。一方、1歳未満や超音波ガイド下での経皮的腎生検が困難な症例に対しては、小児外科と連携し、全身麻酔下で開放腎生検を施行しています。また、病理医とも連携し、必要に応じてカンファレンスを開催しながら、治療方針を決定しています。また、加納は那須赤十字病院(毎週木曜日)で、鷹木は足利赤十字病院(毎週水曜日)で、それぞれ腎臓外来を担当しています。県北および安足地域の患者さんで腎生検が必要な場合には、当院で腎生検を行い、その後のフォローを那須赤十字病院や足利赤十字病院で行うことで、遠方通院の負担軽減に努めています。
【腎代替療法】
当院では、自動腹膜灌流装置を用いた在宅腹膜透析のフォローを行っています。血液透析や腎移植が必要な場合には、国立成育医療研究センターや東邦大学医療センター大森病院腎センターなどの関連施設と緊密に連携し、適切な時期に他施設での治療へ円滑につなげています。
【泌尿器疾患・夜尿症など】
胎児超音波や尿路感染症などで発見される水腎症をはじめとした先天性腎尿路異常(CAKUT)に対しては、超音波検査や排尿時膀胱尿道造影検査(VCUG)、DMSA腎シンチグラフィー、利尿レノグラム、MRI・MRUなどを行える検査体制を整えております。泌尿器疾患の外科治療に関しては、当院小児外科や自治医科大学小児泌尿器科、NHO栃木医療センター小児外科と連携を取りながら診療を行っております。
夜尿症や昼間尿失禁も多く紹介いただき、細かな生活指導の他、抗利尿ホルモン薬やアラーム療法、抗コリン薬、ウロセラピーなどで治療を行っております。難治例においては尿流測定検査や尿流動態検査を適宜行い、また小児外科と連携して膀胱尿道鏡検査なども対応しております。また成人の尿失禁患者でよく使用されているビベグロン(選択的β3アドレナリン受容体作動薬)を難治性の尿失禁患者さんに用いることで良好な結果を得ております。
二分脊椎症に関しては、当院脳神経外科とともに診療にあたっております。当院の排泄機能センター閉鎖に伴い、尿流測定検査や尿流動態検査などは小児科の腎泌尿器部門で引き継いでおります。また導尿指導や排便管理として洗腸指導も小児外科と連携しながら行っています。
【臨床試験・研究】
臨床試験に関しては、日本小児腎臓病臨床研究グループ(JSKDC)による多施設共同研究を継続しております。現在は、「JSKDC12:小児期発症のネフローゼ症候群早期再発例におけるIDEC-C2B8(リツキシマブ)投与の有効性の検討 −多施設共同ランダム化並行群間比較試験−」や「JSKDC10:小児期発症のネフローゼ症候群に対するIDEC-C2B8(リツキシマブ)の多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化並行群間比較試験」、「JSKDC11:小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を対象としたIDEC-C2B8(リツキシマブ)とステロイドパルス療法の併用療法の多施設共同単群臨床試験」に当院からも患者さんに参加していただいております。また国立成育医療研究センターを中心とした「ステロイド薬または免疫抑制薬内服下での弱毒生ワクチン接種の多施設共同前向きコホート研究」や神戸大学小児科を中心とした「小児ネフローゼ症候群の疾患感受性遺伝子及び薬剤感受性遺伝子同定研究」にも参加しております。いままでの臨床研究の成果は論文となり、新薬の保険適応や病態解明につながっており、当院の患者さんの臨床経験も小児腎臓病の治療発展に貢献できております。これも患者さんおよびご家族の協力の賜物であり感謝しております。
2023年からは国際共同研究として、小児の難治性ネフローゼ症候群に対して、オビヌツズマブとMMFの第III相国際多施設共同無作為化オープンラベル試験に参加しました。当院からも2名の患者さんに参加していただきました(世界で80名、うち国内から12名が参加)。世界の子どもたちへの貢献も引き続き尽力していきたいと思います。
【ガイドライン】
加納は「小児IgA血管炎診療ガイドライン2023」「免疫不全状態にある患者に対する予防接種ガイドライン2024」、鷹木は「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」にそれぞれシステマティックレビューメンバーとして参画しました。
【学会活動・地域保健活動】
学会活動は、日本腎臓学会、日本小児腎臓病学会、小児難治性腎疾患治療研究会、日本小児高血圧研究会、日本小児腎不全学会、日本先天性腎尿路異常・逆流性腎症フォーラム、関東小児腎臓研究会などに例年参加し、当院の臨床経験および臨床研究の結果を発表、また最新の医学情報の取得に努めています。
大和田と加納は栃木県立学校腎臓検診判定委員会の一員、大和田は宇都宮市と栃木市学校腎臓検診委員会の一員、日本腎臓病学会小児CKD(慢性腎臓病)対策栃木県代表委員として、加納は日本小児腎臓学会代議員、日本先天性腎尿路異常・逆流性腎症フォーラム幹事、関東小児腎臓研究会幹事、栃木県児童生徒健康管理委員会委員(腎臓専門医)として活動しています。
【患者さん・ご家族への支援】
加納、鷹木、大村は、栃木県ネフローゼ友の会(小児ネフローゼ症候群の患者・家族会)に毎回参加しています。最近では、ネフローゼ症候群の専門の先生をお招きしてご講演いただくなど、栃木県内の患者さんやご家族に最新の情報をお届けできるよう努めています。
【最後に】
予防的な医療を含め、副作用が少なく、かつ効果的である最新・最善の治療を提供できるよう努力し、子どもたちとその家族が笑顔で過ごせるように尽力したいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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| 午前 | 加納 | ━ | 加納 | 大和田 | ━ | 加納 鷹木(第4) |
| 午後 | 加納 | ━ | ━ | 鷹木 (第1, 3 ,5) 大和田 |
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※大和田は不定期
