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同窓生 5回生 小松富恵(獨協医科大学病院看護部長)さんが学会で発表した特別講演の内容です。

第23回栃木看護学会学術集会 特別講演(2023年11月11日開催)

 

コロナ禍における看護提供体制を振り返る

小松 富恵
獨協医科大学病院 看護部長

 

 当院は1974年に開院した大学病院である。開院当時からチームナーシングを取り入れ看護実践を行ってきた。1990年代に問題思考型看護記録を取り入れると同時にプライマリーモジュール型(獨協型担当看護師制)へ変更した。その後、社会情勢や医療環境の変化により、患者と関わる時間が少なくなり、限られた時間の中で担当看護師としてケアの責任を果たすことが困難となってきた。特に新人看護職員への責任の負担が大きく時にはリアリティショックを受けることもあったため、2019年度から一定期間メンバーやリーダーを固定しチーム全体で担当患者のケアを行う固定チームナーシングを導入した。月~年単位でチームメンバーが固定されるため、プライマリーナーシングのメリットがあり、患者のケアや対応に悩んだ場合に、チームメンバーの誰かに相談することで解決に導きやすく、看護師の育成につなげられる利点がある。

 看護体制を変えるにあたり、2017年から着手し、2018年にワーキングを発足し、できる部署から導入を開始した。

 しかし、2020年1月に新型コロナウイルス感染症が日本で報告され、その後世界中を巻き込んだパンデミックとなり、3年たった今でも社会生活、病院運営に影響を及ぼしている。

 固定チームナーシングを導入した直後にもかかわらず、固定チームナーシングの体制が維持できなかった。部署を1チームに変更し固定チームを継続した部署、その日の勤務者の人数により安全に業務が行えるよう時には機能別に変更する部署もあった。また、新人看護師サポートを行いながら受け持ち人数調整のために日々リーダーも患者を担当する部署もあった。せめて日勤だけでも固定チームナーシング体制を実施し、夜勤帯は担当制へ変更するなど、この時期は、安全と感染防止、ケアの質を維持することを目標に現場の状況に応じて最適な方法を部署ごとに選択し実施していった。

 コロナ禍中、病床再編をくり返し、めまぐるしい状況の中、自らの感染リスク、ストレスや緊張感持ちながらケアの質を維持するために可能な看護方式に変更し対応していった。それぞれの立場でできること、その時に持っている力を最大限に発揮できるように関わっていた。看護管理者として病院が何を求めているのか、看護部が何を求められているのかを把握し、目標設定し状況にあわせてリーダーを支持し、今やらなければならない事を周知し情報不足による看護職員の不安を最小限にすることも必要であった。

 このような経験をして、今回のテーマである看護実践の「見える化」について考えてみる。3年間の間、夢中で戦ってきた新型コロナ感染症の看護について振り返り、今後の感染防止対策を含めた看護について可視化していくことが望まれる。未知なるものへの不安を解消する感染防止対策のための標準化につながる。そのために2021年 日本看護管理学会が作成した新型コロナウイルス感染症対応から学ぶ看護マネジメント10のポイントを参考にこれからの看護の可視化について考えていきたい。

同窓会 1回生 豊田省子様が今までに表彰された内容です




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