診療内容
以前の呼吸器外科の手術は、20~25cm切開し、肋骨を切って手術を行っていました。その後、胸腔鏡というカメラを使用する様になり、現在では3~5カ所の小さい傷で手術を行う胸腔鏡下手術が主流となりました。当院では、操作孔を4つ開ける胸腔鏡手術を主に行っており、2019年当院で行われた肺癌手術の80%、手術全体の85%は、胸腔鏡下もしくは胸腔鏡補助下で行っております。今後も積極的に侵襲の少ない胸腔鏡下手術を行いますが、患者さんの病気の状態によっては胸腔鏡手術でできない場合もあります。
新棟竣工とともに、当院にも手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)が導入されました。呼吸器外科領域でも2018年保険収載されました。当科でも準備を進め、2019年6月より肺癌に対する肺葉切除を開始しました。2020年4月現在17例の患者さんに行い、良好な成績を得ています。今後低侵襲手術の選択肢になると考えております。
単孔式手術とは、胸腔鏡下手術の一種で、操作孔を1つだけの単孔で行う手術です。現在、上記のように3~5個の操作孔(傷)で行う手術が主流ですが、近年、アジアを中心に、1か所の傷のみで手術を行う単孔式胸腔鏡手術が行われるようになりました。単項式手術は、文字通り1つだけの小さい傷から胸腔内の操作を行うため、傷跡も目立ちにくく、患者さんに対する手術の侵襲もより小さくなることが期待されます。当科では研修やトレーニングを行い、単孔式手術を開始しております。患者さんの状態を考慮しながら、気胸の患者さんや原発性肺癌の患者さんに行っております。