股関節疾患
股関節の専門医とともに発育性股関節形成不全の治療に力を入れております。発育性股関 節形成不全は、以前は先天性股関節脱臼と呼ばれていました。近年では関節弛緩や臼蓋形 成不全などがあり、出生後のおむつの種類や巻き方によって後天的に生ずると考えられ、発育性股関節形成不全(Developmental Dysplasia of the Hip(DDH))と呼ばれています。出生後、産科や小児科での乳児検診、4 ヶ月検診などで股関節の開きが悪い股関節開排制限や、大腿部の皺の非対称、足の長さが左右で違う脚長差などがみられた時に当院へ紹介していただき、超音波検査(エコー)やレントゲン撮影などの検査を行い、抱っこやおむつの巻き方などの日常生活指導、および必要に応じて装具療法(リーメンビューゲル装具(RB装具))を開始します。RB装具で整復困難な症例は入院し、股関節を牽引(オーバーヘッドトラクション)する治療を行っています。当院では患児が成人になるまで股関節の専門医とともに診療を行い、ご家族の股関節の検診、および診察(股関節家族外来)も同時に行っています。その他ペルテス病や大腿骨頭すべり症などの小児特有の疾患も股関節専門医とともに診療しています。
- 患者さん
- 0歳女児
- 上段写真
- 右の股関節脱臼の単純X線写真です。
- 中段写真
- リーメンビューゲル装具を装着した写真です。通常3~6ヶ月使用します。
- 上段写真
- 装具による治療が難しい場合に入院した上で足を牽引(トラクション)し股関節脱臼を整復する治療法(オーバーヘッドトラクション)の写真です。通常1-2ヶ月治療を行います。
- 費用
- 全て保険診療で行われます。
- リスク
- 再脱臼、骨折、骨壊死などが起こり手術(観血的整復術)となる可能性があります。