鏡視下半月板手術(Arthroscopic Meniscus Surgery)
侵襲の少ない関節鏡を用いて半月板を処置し症状を取り除く手術です。できるだけ温存(縫合)を行います。若年者の場合、半月板損傷が痛みの原因となることも多いのですが、高齢になってくると、変形性膝関節症による変性変化の場合もあり、その場合は関節鏡のみの治療は難しい場合もあります。
一方で近年、高齢者に起こる内側半月板後角損傷が注目されています。こちらが発生すると、関節内の変性が急激に進行することが指摘されており、手術の検討や慎重なフォローアップが必要となります。
- 患者さん
- 70代女性
- 左写真(術前)
- 半月板後角の断裂を認めます。
- 右写真(術後)
- 断裂部に糸をかけ、骨にあけた穴に引き込んで半月板を固定しています。本症例ではもともとのO脚があり、後角部の修復と高位脛骨骨切り手術を併用して行っています。
- 治療期間
- 通常半月板単独手術の場合は、手術翌日から歩行練習開始となり、約1週間で退院が可能となります。本症例のように高位脛骨骨切り手術を併用した場合は、2~3週間前後の入院の後、杖歩行程度で自宅退院となります。
- 費用
- 全て保険診療で行われます。
- リスク
- 出血、骨折、細菌感染などが起こり再手術となる可能性があります。