股関節鏡下関節唇形成術 (HA:Hip Arthroscopy)
本手術は関節温存術ひとつで、なおかつ傷が最も小さい手術のひとつです。股関節インピンジメント症候群や関節唇損傷の患者さんのうち、軟骨の損傷が少ない場合に、痛みの原因となる余分な骨を切除したり、関節唇を縫合したりすることで、痛みをとる手術です。
直径5mmほどの関節鏡を約3ヶ所から股関節内に挿入し、手術を行います。傷が小さいため一般的に患者さんの身体への負担も少ない手術です。当院では特殊な手術台を使用し、関節包靭帯を温存することで、より低侵襲な手術となる様に工夫しています。
- 患者さん
- 20代男性
- 左写真(術前)
- 手術中の股関節内の関節鏡写真。関節唇と軟骨のつなぎめが、強く損傷し、軟骨の毛羽立ちが見られます(青矢印)。関節唇損傷のために関節唇がぐらぐらと不安定になっていました。
- 右写真(術後)
- 損傷した関節唇をアンカーのついた糸で縫合しています。縫合後、関節唇の不安定性は無くなりました。
- 治療期間
- 通常1-2週間前後で通常の歩行が可能となり自宅退院となります。疼痛や侵襲の程度により松葉杖歩行で退院となる場合もあります。
- 費用
- 全て保険診療で行われます。
- リスク
- 出血、骨折、下肢牽引による神経麻痺などが起こる可能性があります。疼痛が取りきれないために再手術となる可能性があります。