特色と特徴
呼吸器内視鏡として気管支鏡と胸腔鏡の両者を扱う全国はじめての専門センターで、高度かつ先端的な診断、治療を行っています。呼吸器・アレルギー内科のほか胸部外科、耳鼻咽喉科の医師が検査を担当します。日本呼吸器内視鏡学会認定施設であり、気管支鏡専門医10名、指導医4名が所属しています。安心で患者さんにやさしく、診断精度の高い検査を目指しています。
気管支鏡検査
肺癌など悪性腫瘍のほか、間質性肺炎、過敏性肺炎、サルコイドーシスなどびまん性肺疾患、および呼吸器感染症の診断を行います。肺癌に対する内視鏡下切除術や気管支ステント留置などの治療も行っています。超音波内視鏡や自家蛍光内視鏡、極細径気管支鏡など最先端の内視鏡機器を備えています。 年間検査件数は500件を超えます。
胸腔鏡検査
悪性中皮腫、癌性胸膜炎、結核性胸膜炎などの診断のほか、急性膿胸の治療やタルク散布による胸膜癒着術なども行います。初代センター長である石井教授の開発した、胸腔鏡専用スコープや特殊光診断装置がそろっています。年間検査件数は60件を超えます。
間質性肺炎診療
獨協医科大学病院の間質性肺炎診療です。
呼吸器内視鏡センター : 原因不明の間質性肺炎について、診断と治療方針の決定のためには胸腔鏡下肺生検が行われますが、肺の病変によっては肺凍結生検という手技で患者さんの負担が少ない方法で診断と治療方針の決定を行うことができます。肺凍結生検は、胸腔鏡による検査と異なり、通常の気管支鏡を用いるので空気の通り道(気管支)を通して行うことができます。呼吸器内視鏡センターでは肺凍結生検を早くから導入し実績も豊富です。
呼吸器・アレルギー内科の間質性肺炎診療 : 獨協医科大学病院 呼吸器・アレルギー内科では、クリニックや他の病院から紹介となった間質性肺炎患者さんの診断を放射線科、病理科と協力して行っています。 病状に応じてリハビリテーション科と協力して呼吸リハビリも行っています。呼吸リハビリ入院は約6日間の入院で、リハビリ(現在の呼吸状態の客観的なデータに基づいた評価、呼吸法等)、栄養状態評価、薬剤導入なども行えます。疾患への理解が深まることで不安の軽減にもつながっています。
気管支インターベンション
高周波凝固法、アルゴンプラズマ凝固法および YAG レーザー法などを用いて気管支内腫瘍の治療を行います。早期肺癌病変に対しては、光線力学的療法(PDT:photodynamic therapy)という治療も行います。これは、腫瘍親和性光感受性物質(PS:photosensitizer)を注射して4〜6時間目にレーザーを腫瘍に照射し、腫瘍を選択的に破壊する内視鏡治療です。対象は、早期肺癌の患者さんです。一度に複数個所の治療が可能で再発病変にも効果的ですが、レーザー光が届く範囲でないと治療効果が得られないため病変が限られた範囲にある人が対象になります。入院期間は10〜14日間程度です。PDT治療とアルゴンプラズマ凝固法などを併用した治療法も効果が認められています。
気管支バルブシステムによる肺気腫治療
薬物治療によっても呼吸困難が改善しない肺気腫患者さんが対象になります
(当院ご紹介後に治療適応有無の判断のために検査が必要となります)。
肺気腫では、吸った空気を十分に吐き出せなくなり、肺に空気がたまってしまうことで、息切れや呼吸困難を起こします。空気がたまってしまった肺につながる気管支に、小さな気管支バルブを植え込むことで、空気を外に吐き出すことができるようになり、呼吸が楽になり、息切れの改善が期待できます。
獨協医科大学病院にご紹介の際は、呼吸器・アレルギー内科または呼吸器外科にご紹介ください。
診療実績
呼吸器内視鏡センター内 内視鏡件数です。