FAQ … はじめて解剖学を学ぶ
- 解剖学用語を効率的に記憶するにはどうすればよいか。 … 人それぞれ
個人差が大きい。いろいろ各自工夫し、自分に一番合った方法を探すしかない。当面、各自の従来のやり方を踏襲するのが無難。
- どうやって覚えればよいか。 … 反復
繰り返す。時間を掛ける。達成度のセルフチェックをする。
- なぜこんなに大量に覚えなければならないのか。 … 基本の理解のため
解剖学の基本的な概念を理解するため。基本的な概念は抽象的であることが多い。抽象概念とは多くの言葉の上位にある(抽象化された)もので、それを正確に理解するためには、その要素となる下位の個々の言葉を知っている必要がある。したがって、できるだけ多くの言葉の記憶に努めることは基本概念(用語)の理解に繋がる。試験の合格だけを目的にして、必要最小限の基本用語のみを覚えようとするのは、直前の試験勉強としてはやむを得ないが、基本用語の真の理解には達しない。普段の学習ではできるだけ多くの言葉に触れ、その記憶に努めた方がよい。
- なぜ英語が必要なのか。 … 何かと便利
- 各言語よって癖があり、多言語で学ぶと、例えば日本語で非常に理解しずらい表現が、英語だと簡潔明瞭であったりする。
- 各言語で表現された用語は単純にラテン語から翻訳されたものではなく、それぞれの言語圏の解剖学者の見識や理解度が反映されているので、ある構造に対する解剖用語が異なる言語間で必ずしも一対一に対応しない。その用語のズレを見ることにより、人体の構造に対する深い理解に達することができる。
- 用語を覚える(丸暗記の)段階で書き取り練習がしやすい。英語を見て、日本語を答える。日本語を見て、ラテン語を答えるなど…。
- 臨床医や研究者になったとき、英語論文の読み書きが容易になる。
- 時間とともに忘れてしまうので無駄な気がするが。 … 真の理解に達する必要な過程
忘れることを懼れる必要は全くない。重要なことは時間を掛けて覚える努力をすること。覚えなければ忘れることはできない。実は、忘れて再度覚え直すことが重要。これを繰り返すと、より深い言葉の理解に達する。深い理解に達したところで初めて、言葉は血肉となり決して忘れられなくなる。忘れるということは理解が不完全である(=関連付けが甘い)ことを示している、と考えればよい。ときに、異常に記憶力に優れている人がいるが、このような人は十分な理解に達する前に記憶が固定してしまっているのであって、クイズ(試験を含む)などにはめっぽう強いが、一知半解の知識は実践の現場では役に立たない。
- ネットで全て済ませるようにしているが、本を読むことは必要なのか。 … 現時点では本の方が歩留まりがよい
ネットにも素晴らしいコンテンツは散在するが、それを探し出すのは簡単ではない。検索エンジンで手軽に探せるものは誤謬を含んでいたり偏向していたりする。一方、書籍でも状況は同じで玉石混淆である。これらに違いはあるのか。歴史に差がある。ネットは成立から数十年なので、定番のコンテンツが少ない。一方、書籍は長年読み継がれてきた古典がある。また新刊でもすぐに絶版にならず、版を重ねるものがある。そのような本には多くの人の心の琴線に触れる表現が含まれている可能性が高い。ただし、感性には個人差があるので、痺れるような(心を振るわすような)素晴らしいコンテンツに出会うためには、ネットであれ、本であれ、最初は多読乱読を行わざるをえない。それを通してしか感性を鍛え上げることはできない。新たな言葉や表現に触れ合い、それを脳に蓄積していくことよって、脳は活性化され独創的な発想を生み出す装置ができあがる。
- 解剖学の図譜・参考書
- 解剖学関連の書籍など
- 解剖学に関係しない本
骨学・筋学の予定表