獨協医科大学呼吸器アレルギー内科

ごあいさつ

 2020年4月、獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科へ主任教授として赴任した仁保誠治(にほせいじ)と申します。初代石崎達教授、牧野荘平教授、福田健教授、石井芳樹教授の後を継ぎ、私が5代目となります。

 当科は呼吸器疾患全般、アレルギー疾患の診療、教育、研究に携わっています。呼吸器疾患には肺癌、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、呼吸器感染症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などがありますが、科学の進歩に伴い、様々な分野で新しい治療薬が開発されています。私が専門としている肺癌の治療薬には、細胞傷害性薬剤(いわゆる抗がん剤)のほか、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬があります。分子標的薬にはEGFRをはじめ、ALK、ROS1、BRAF、METなどの阻害薬が承認されており、さらなる新薬の開発も進んでいます。がん細胞におけるドライバー遺伝子変異の有無を適格に診断し、適切な分子標的薬を使って治療することで長期に渡って病気をコントロールすることが可能になります。

 当科の診療においては、すべての医療スタッフと協調して、チーム医療による安全かつ適切な診療を進めていきます。また、分かりやすい説明に基づき、十分納得頂いた上で治療を行うことを重要視しています。何か疑問な点がありましたら、我々医療スタッフにお尋ね下さい。

 我が国では高齢化社会が進み、呼吸器疾患の患者が増加しており、呼吸器内科医の役割は増しています。総合的な内科の臨床能力を基盤として、呼吸器、気管支鏡、アレルギーなどの専門医資格を取得することが可能です。また、固形がんの中で肺癌は有効な薬物治療薬が最も多い癌腫です。肺癌の診療を通じて、固形がんに対する薬物治療を学ぶことができます。医学生や若手の先生方には、是非、呼吸器、アレルギー疾患に興味を持って頂き、我々とともに診療、研究を行っていきませんか。何か不明なことがありましたら、遠慮なく私どもにご連絡下さい。

 皆様、今後ともご指導、ご支援のほど宜しくお願いします。

【略歴】
 1993年 広島大学医学部医学科卒業
 1996年 国立がんセンター東病院 呼吸器内科 レジデント
 1999年 国立がんセンター東病院 呼吸器内科 がん専門修練医
 2001年 国立がんセンター東病院 呼吸器内科 医員
 2010年 国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 病棟医長
 2020年 獨協医科大学 内科学(呼吸器・アレルギー)主任教授