薬剤部についてAbout

ごあいさつMESSAGE

獨協医科大学埼玉医療センター薬剤部のホームページにお越しいただき、誠にありがとうございます。令和7年4月より薬剤部長に就任いたしました鈴木伸志です。本ホームページには薬剤部の様々な情報が掲載されていますので、ぜひご活用ください。

当センターは、獨協医科大学(栃木県壬生町)の2番目の附属病院として、昭和59年に埼玉県越谷市に設立されました。許可病床数928床の急性期病院であり、越谷市を中心とした埼玉県東南部の住民の方々の健康を守るため、総勢約100名の薬剤部職員がチーム医療に徹し、地域医療の充実に貢献しています。また、当センターは東武線とJRの2つの駅から徒歩3分というアクセスの非常に良い立地にあります。

近年、病院薬剤師の役割は「調剤業務中心」から「臨床現場での薬物療法サポート」へと移行しており、幅広い知識と実践力が求められています。当センター薬剤部では、調剤業務、製剤業務、医薬品情報管理などのいわゆるセントラル業務に加え、ケアユニットを含めた全病棟へ薬剤師を配置し、さらに通院治療センター(がん化学療法)、感染制御部、手術室、医療安全管理室、総合患者支援センター、臨床研究支援室など、他職種とのチーム医療にも積極的に参加しています。

薬剤部には様々な認定薬剤師が多数在籍しており、認定取得を積極的にサポートしています。特に、当センターは日本病院薬剤師会のがん薬物療法認定薬剤師研修施設であり、当センターでがん化学療法業務に従事することで、がん薬物療法認定薬剤師を取得できます。また、日本臨床腫瘍薬学会のがん診療病院連携研修病院としても認定されており、保険薬局薬剤師の研修を積極的に受け入れています。

最後に、現在の医療において薬剤師の専門性はますます重要視されています。私たちは、個々の成長を尊重しながら、信頼される薬剤師を育成し、地域医療に貢献していきます。ぜひ、私たちと共に学び成長しながら地域医療の発展に力を尽くしましょう。

薬剤部長 鈴木 伸志

薬剤部の理念

  1. 医療チームの一員として薬剤の適正使用を推進し、効率的な薬物療法に貢献する。
  2. 薬物療法における患者さんの安全を確保する。
  3. 信頼される薬剤師を目指す。
  4. 適正な医薬品管理と薬物療法の推進により病院経営に貢献する。

Department部署紹介

調剤業務

・処方
入院患者さんの処方を中心に薬の調剤を行っています。当センターでは、患者さんが適正な薬物治療を受けることができるよう、処方せんへ様々な情報を表記する工夫や、薬物相互作用や配合禁忌をシステム的にチェックすることで、個々の患者さんに適した医薬品の選択、用法・用量の確認を行っています。また調剤時のヒューマンエラーを減らすため監査システムを導入しています。今後も調剤ロボットなどの導入を検討しており、医薬品を適正かつ安全に使用して頂くために日々奮闘しています。

・注射
注射オーダ(投与量、投与方法、投与速度、配合禁忌等)をチェックし、注射薬が適正に使用されるよう努めています。また、病棟での薬剤取り違え防止など安全性の観点から、注射薬取揃えシステムを通して、患者さんごとに注射薬を一施用ごとにセットしています。各診療科で必要になった医薬品は、物流システムを利用して薬剤部から払い出しています。こちらも上記の監査システムを導入しヒューマンエラーを防いでいます。

病棟業務

当センターでは全病棟に薬剤師を配置する体制をとっており、病棟での医薬品適正使用推進のため、入院患者さんへの服薬指導を中心とした病棟薬剤業務を行っています。

入院時の初回面談や持参薬の鑑別を始め、ベッドサイドにて患者さんの副作用や効果のモニタリング等を行い、医師や看護師へ薬剤に関する情報提供をすることで、緊密な連携を図ることを心がけ、入院患者さんが適正かつ安全な薬物治療を受けられるよう、日々努力を続けています。カンファレンスにも積極的に参加しチーム医療の貢献に努めています。また、薬剤管理指導支援システムを導入し業務の効率化も図っています。

DI・管理業務

医薬品情報管理室では、医薬品をより有効かつ安全に使用して頂くために、適正な使用方法や副作用など、医薬品に関する情報を収集・管理しています。それらを利用して、医療スタッフからの問い合わせに対応することや、収集した情報を評価・加工して院内のホームページを通して医療スタッフに情報提供しています。

また、電子カルテシステムへの医薬品情報データ更新を行なったり、新規発売医薬品のヒアリングをMRと実施したり、病院で採用する医薬品を検討する薬事委員会の事務局を務めたりしています。

医薬品管理では、日々変化する医薬品の流通情報を察知して早急に対応、医薬品を購入し使用するための各システムへのマスター登録、医薬品卸業者へ医薬品の発注、納品などを担当しています。また定期的に棚卸、および院内各部署の医薬品の使用期限の確認を行い、医薬品の適正な在庫、品質管理に努めています。

また、医療用麻薬、向精神薬、覚せい剤原料の出納管理・検収・保管・廃棄・破損等の事故処理・各種届出の業務を行い、これら医薬品の適正使用に努めています。

感染管理・TDM業務

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員として、血液培養が陽性になった症例、感染症患者さんへの介入や治療の適正化をサポートしています。広域抗菌薬を使用している症例や、抗菌薬を長期間使用している症例などをモニタリングし、チームにフィードバックを行っています。

また、バンコマイシンやアミノグリコシド系抗生剤ではTDM(Therapeutic Drug Monitoring)を行い、血液中の薬物濃度から個々の患者さんに適した投与量、投与法をシミュレーションし、医師に処方提案しています。

患者窓口支援業務

当センターでは、PFM(Patient Flow Management)に薬剤師が参画しています。入院予定の患者さんの情報を入院前に把握し、入退院の支援をする業務です。薬剤師は入院予定患者さんの薬剤使用状況を把握し、薬剤アレルギーや副作用情報の把握、健康食品・サプリメントなどの使用状況を確認しています。また、治療上休薬が必要な場合は医師の指示のもと患者さんへ休薬の説明を行うなど、治療がスムースに流れるよう貢献しています。

周術期業務

当センターでは、手術室での麻薬や筋弛緩薬、向精神薬、麻酔薬等の、管理が厳重な薬剤の医薬品管理や、適正で安全な使用を支援するために、手術室に薬剤師を常駐配置しています。また、周術期薬剤管理加算が新設されたことを契機に、周術期における薬物治療への関わりも強めています。手術室は麻酔科医、看護師、臨床工学技士等の様々な職種が関わる部署で、多職種間での連携を密にして業務を行っています。

製剤・TPN業務

当センターの生命倫理委員会で承認された院内製剤の調製を行なっています。市場にない剤型の医薬品や約束処方など、個々の患者さんニーズにあった製剤を作製することで、治療に貢献しています。

また、経口摂取できない患者さんの中心静脈栄養剤(TPN)の調製も行っています。調製は安全かつ無菌的に行うためにクリーンベンチ、安全キャビネットでの環境下で行っています。

がん化学療法業務

当センターでは、外来および入院患者さんへ安全かつ効果的な抗がん剤治療を提供するために、様々な業務を行なっています。抗がん剤治療ではレジメンと呼ばれる治療計画が確立されており、その内容に添ったものかを二重三重にチェックする必要があります。患者さんの年齢、体重、身長などや、病名や過去の治療歴、アレルギー歴、投与量、投与方法、投与期間などが適切であるかを確認します。

さらに抗がん剤は無菌的に調製する必要があるため、安全キャビネットの無菌的な環境下で作業を行います。調製手順を遵守し、抗がん剤による曝露を防ぐために、手袋、ガウン、マスク、ゴーグルなどの個人防護具を着用します。

また、外来化学療法を受ける患者さんに対しては、レジメンの流れ、治療薬や支持薬などの服用方法、副作用、注意点などを説明し、安心して治療を受けられるようにサポートしたり、医師や看護師に対して抗がん剤に関する情報を提供したり、採用するレジメンの管理をするなどの多彩な業務を行い、医師、看護師、その他の医療スタッフと連携し、抗がん剤治療の適正で安全な遂行を確保し、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献しています。

薬剤師認定一覧

資格名称 人数
がん薬物療法認定薬剤師 3
抗菌化学療法認定薬剤師 2
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師 1
漢方薬・生薬認定薬剤師 1
小児薬物療法認定薬剤師 1
日本糖尿病療養指導士(薬剤師) 3
NST専門療法士(薬剤師) 4
医療情報技士(薬剤師) 1
外来がん治療認定薬剤師 1
腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師 1
周術期管理チーム薬剤師 2
日本臨床薬理学認定CRC(薬剤師) 1
日病薬病院薬学認定薬剤師 14
認定実務実習指導薬剤 4
骨粗鬆症マネージャー 4
スポーツファーマシスト 7
研修認定薬剤師 5
認定指導薬剤師 1
心不全療養指導士 2
がんゲノム医療コーディネーター研修会 1
肝炎医療コーディネーター研修会 7
腎代替療法専門指導士 1

2025/3/31現在