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獨協医科大学医学部公衆衛生学講座の教育理念

「明るく、謙虚で、人の心がわかり、自ら考え行動する学生」を育てます!

当講座では獨協医科大学の教育基本理念である「広く社会一般の人々から信頼される医師を育成すること」に則り、以下の3つの教育目標のもとに教育を行います。

公衆衛生学講座が医学部・医学研究科で担当している講義・実習

1.やさしくわかる臨床疫学・統計解析(1~6年次・講義)

疫学とは人の集団を対象とした研究であり、医学・医療の基礎科学であると同時に、人々の健康を作る社会の取り組みである公衆衛生学の基礎科学でもある。また、疫学研究を含む多くの研究には統計解析が必須である。しかし残念なことに多くの人が疫学や統計を苦手としているのが現状である。本講義では「いかにやさしく説明して理解してもらえるか?」にフォーカスして、疫学・統計アレルギーの解消を目指す。本講義は、他大学への開かれた講義である「栃木コンソーシアム」の一環である。また第2週からは学内公開講座を兼ねることとし、学ぶ者すべてに役立てる。

2.予防医学・臨床疫学(3年次・講義)

病気を予防することは人類共通の願いである。予防を実践は人の集団を対象に行う疫学研究の成果に基づく、すなわち、疫学は公衆衛生学の基礎科学であると同時に、臨床医学における診断と治療の「根拠(evidence)」を明らかにするための臨床疫学研究の基盤となるものである。疫学は、臨床研究及び公衆衛生分野の研究を目指す場合に、独力で研究の発案、遂行、解析ができるようになるための基本的な素養である一方、臨床疫学の成果を用いるEvidence-Based Medicine(EBM)の技法は、臨床専門医にとってはもちろん、地域医療を担う総合診療医師にとっても必ず身につけておかねばならないものである。本講義で扱う内容は、学生諸君が将来どのような領域に進んでも必要となる貴重な知識と技術、そして心意気である。

3.公衆衛生学(4年次・講義)

公衆衛生学は,患者一人ひとりの病気の診断と治療を課題とする臨床医学とは異なり,組織化された社会的活動により,主に集団レベルで疾病の予防を課題とする。問題を単に個人的な問題としてではなく,個人を取り巻く環境・社会との関連において考え,社会制度としての公衆衛生活動を立案・実践していくので,公衆衛生学は衛生学や法医学などと共に,社会医学の一分野を構成している。保健医療福祉が社会との関わりの中で実践されることから,公衆衛生学では医師の社会的責任についても取り扱う。また一方で、社会医学という言葉は、社会の在り方が生み出す健康障害の予防、社会における人間の権利擁護に関わる医学的問題も意味する。私たちの知っている世の中ではみんなが「人が人として人間らしく生きる」ことができているだろうか。病院の中にいると時として忘れてしまいがちな「すべての人々の生への熱い思いと優しい眼差し」、声を出せない弱い立場の者を代弁し、その声を届けて社会を動かす「アドボカシー」。 本講義では,こうした公衆衛生学のこころ,広く暖かく鋭い視野を,臨床医学との関わりにおいても実感し、深く考察してもらいたい。

4.公衆衛生学実習(4年次・実習)

公衆衛生学は人々の健康や医療の基本となる学問である。実習では社会と医療に関わるさまざまなテーマから1つを選択して参加・体験学習を行う。最終日には各グループに、普段はできない貴重な体験から得た感動・学びをまとめた発表(完全学会形式の発表会)をお願いする。ぜひクラス全員でこの感動を共有してもらいたい。このような実習は学内・学外の多くの施設の協力があって初めて成り立つので,学生諸君はこうした貴重な体験ができることに感謝して,ぜひ真摯な態度で精一杯取り組んでほしい。

5.今日の医療と生活・社会(4年次・講義)

今日の社会は少子高齢化が進む一方で、科学・情報技術の進歩もあって、医療においても考えるべき課題が山積している。新ミレニアムにおける医療憲章では「医師の利益よりも患者の利益に重きを置くこと、高い水準の能力と誠実さを有し続けること、健康に関して社会に専門的助言を与えること」が重視される一方、地域完結型医療実現のために、医療と保健、福祉、介護の連携が行われている地域包括ケアシステムのための医療のネットワーク化が始まっている。しかし、どのような時代にあっても医療の原点は人道主義であり、いつの世においても患者の人権をまもることが求められることは言うまでもない。本科目を通じて、社会を見つめ、社会と連携しながら人々の生活をまもるプロフェッショナルとしての医師の在り方、姿勢を学び、自らが目指す医師像を考える機会にしてほしい。

6.症例演習(4年次・講義)

臨床に取り上げられている症例について、その問題点を分析し、解決への方策を学ぶ。また問題解決の基盤となる知識の再確認も行う。この演習をCBTや国家試験対策の良い手助けとしてほしい。

7.地域保健学実習(5年次・実習)

地域で行われている保健医療福祉活動が人々と地域社会の健康増進と疾病予防にどのように役立っているかを見学・体験学習することにより、公衆衛生活動の実際と医師の役割について学ぶ。同時に医療が健康で文化的な社会の上に成り立っていることを実感する。医師である前にまず「社会人」としての自覚と適切な行動能力を養う機会としたい。

8.公衆衛生(6年次・集中講義)

医師の専門領域にかかわらず、公衆衛生学、衛生学、法医学、熱帯病寄生虫病学に関する基本的知識は必須である。ここでは「医師国家試験出題基準」に沿った内容で講義を行い。知識の再確認と定着を目指す。卒業試験対策はもちろん国家試験対策も兼ねて、期間内に十分な学習を望みたい。

9.疫学研究・統計解析セミナー(大学院生向け・講義)

本セミナーの目的は、疫学研究(臨床疫学を含む)デザイン、データ管理、統計解析 の基本知識と情報を出来るだけわかりやすく提供することです。各セミナーは、それぞれ独立な内容ですので、1回の受講だけでも、そのテーマに関する基本事項が身に付きます。

2019年度 疫学研究・統計解析セミナーのご案内

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