ボツリヌス療法専門外来について
脳卒中等の後遺症である手足のつっぱり(痙縮)に対して、ボツリヌス療法を実施します。脳神経疾患でみられる運動障害の一つに痙縮という症状があります。痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう症状で、姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙縮がリハビリテーション治療の障害となることもあるので、痙縮に対する治療が必要となります。ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、筋肉を緊張させている神経の働きを抑え、筋肉の緊張をやわらげる治療法です。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。この治療法は世界90カ国以上で認められ、広く使用されています(2022年2月現在)。
注射後2~3日目から徐々に効果があらわれ、通常3~4ヶ月間持続します。治療を続ける場合、年に数回、注射を受けることになります。ボツリヌス療法の効果を最大限に引き出すために、リハビリテーション科専門医が身体機能・痙縮を評価し、適切な施注部位・用量・時期を計画します。施注する筋の同定には超音波装置等を用います。また、ボツリヌス療法と併せて、当科外来にて理学療法・作業療法・装具療法などのリハビリテーション治療を行います。
脳卒中などの後遺症の一つに「痙縮」(手や足がツッパってくる)があるのをご存知ですか?
これは脳血管障害後によくみられる運動障害で、筋肉の緊張が強くなってくることを指します。脳からのコントロールが効かなくなることにより、筋肉が異常に緊張してしまい、そのため関節が固まって手足の運動を制限してしまうのです。その結果、日常生活が不自由になったり、リハビリテーション訓練に大きな支障を生じさせてしまうのです。しかしながらこの痙縮には治療法があります。それがボツリヌス療法です。
ボツリヌス療法とはボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、筋肉を緊張させている神経の働きを抑え、筋肉の緊張をやわらげる治療法です。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する心配はありません。この治療法は2022年2月現在世界90カ国以上で認められ、広く使用されています。
注射後2~3日目から徐々に注射の効果があらわれますが、残念ながら通常3~4ヶ月間でその効果が薄れてきます。したがって、効果を持続させるには、年に数回、注射を受けていただくことになります。
ボツリヌス療法は、当科のリハビリテーション科専門医が身体機能・痙縮を評価した後、適切な施注部位・用量・時期を計画します。施注する筋の同定には超音波装置等を用います。
また、ボツリヌス療法と併せて、その効果を最大限に引き出すために、当科外来にて理学療法・作業療法・装具療法などのリハビリテーション治療を行います。