IRUD(未診断疾患イニシアチブ)について

IRUDはInitiativeonRareandUndiagnosedDisease(未診断疾患イニシアチブ)の略で、染色体検査などの通常の検査では診断のつかない患者さんに対して、次世代シークエンサーなどを用いた網羅的遺伝子解析を行い、診断確定を目指す研究です。
IRUDは国立研究開発法人/日本医療研究開発機構(AMED)が主導する全国的研究事業であり、獨協医科大学病院は2015年度の研究開始から参加していましたが2020年度から高度強力病院、2024年度からは拠点病院となっています。
IRUD診療体制

IRUD で対象とする患者さんの基準(AMED)
以下の 1 )または 2 )を満たし、6ヶ月以上にわたって(乳幼児 は除く)持続し、生活に支障のある症状があり、診断がついていない状態。
1 )2つ以上の臓器にまたがり、一元的に説明できない他覚的所見を有すること。
2 )何らかの遺伝子異常が疑われる病状であること(血縁者、兄弟に同じような病状を認められる場合を含む)
小児・成人に関係なく、原因不明の慢性症状(発達遅延/知的障害、低身長、神経・内臓の先天異常など)を有していて従来の検査では診断がつかない患者さんが研究対象になります。
IRUD研究の成果
2024年9月現在までのIRUD研究では、解析済み7318家系に対して3521家系で診断が確定しました。(診断確定率48.3%)。
獨協医科大学では2015年の研究参加2024年12月現在、解析済み85家系中42家系(49.4%)で診断確定しました。
診断が確定することの意義
1)疾患についての様々な情報を入手可能となり、予後や注意すべき合併症が判明します。
これにより今後の生活上の指針が明確となり、合併症の検査が可能になります。
2)遺伝性が判明することにより、同胞や、患者さんの子供、同胞の子供への影響が判明します。
診断が確定した患者さんの約70%は両親に問題なく患者さんのみ遺伝子の問題を有しているという結果ですので、その場合は同胞への影響は極めて低くなります。
連絡先
- 獨協医科大学病院 遺伝・ゲノム診療部
- TEL:0282-87-2211(平日 14:00~16:00/産科婦人科外来受付)
- FAX:0282-87-2291
- 成人の患者さん:成瀬勝彦(部長/産婦人科教授)
- 小児の患者さん:鈴村宏(小児科特任教授)