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ごあいさつ

獨協医科大学埼玉医療センター腎臓内科 教授 竹田 徹朗

はじめに

 平成22年11月16日、獨協医科大学埼玉医療センター(旧越谷病院)の腎臓内科は設立されました。私はその責任者として皆様にご挨拶申し上げます。 埼玉県東部では腎臓病を専門で診る医療機関が少ないため、多くの患者を紹介して頂いております。また、慢性腎臓病の患者さんが増え続け、今や国民病であり、地域の腎臓病を早期に発見し、適切に管理する医療連携も重要と考えています。

一人の患者さんをとことん診る。

 腎臓内科の特徴に、一人の患者の治療に長期間携わるということがあります。蛋白尿・血尿の診断に始まり、腎臓病の治療、さらには透析導入と導入後の管理など、腎臓病の初期から終末期まで当科では一貫して行います。また、患者の高齢化や医療の高度化に伴い、他科から相談を受けることも多くなってきました。

助け合いの精神

 現在医局員16名とローテートしてくる研修医で業務を行っています。われわれが誇る最大の特徴は、お互いを尊重し、皆が助け合うことです。毎朝行っている病棟カンファレンス病理診断科との腎生検合同カンファレンスでは、いろいろな意見を出し合いながら病状や治療内容を共有しています。病棟は、チーム制で入院患者を担当しており、常に誰かが対応できる体制にしています。

総合内科的

 腎臓内科は、全身所見、尿・血液検査と腎組織所見が三本柱であり、腎臓のみならず全身を診る内科です。また、透析医療の特徴でもありますが、合併するさまざまな各科の疾患に対して初期対応しなければなりません。つまり、専門性が高い上に、総合内科的な要素も多分に含んでいるのです。決して「腎臓だけ」という科ではありません。それだけにやり甲斐のある科だと思います。以下に私たちが志す臨床、研究、教育の方向性についてご説明いたします。

治療成績向上

 臨床面では新規治療法の模索と並行して、最高の治療成績をあげるために既存の治療法の工夫が必要と考えています。腎臓内科の大きな魅力は、腎臓病の発症から腎不全まで一貫して関与できること、他臓器との連関が強く、他科と協調しながら診療に取り組むことができることです。

尿バイオマーカーと腎組織

 研究においては「尿バイオマーカー」「腎組織」にこだわりたいと思います。また、基礎医学系の研究室を含めた内外の施設との交流を深めることや日本腎臓学会のデータベースに全例登録するなど臨床研究を推進します。そして、その成果を内外に発信したいと思っています。

統合腎臓内科教育

 教育面では、小児腎臓領域、泌尿器領域と連携してBSL学生から専門医まで一貫した教育システムで、腎臓病学の重要性と魅力、さらには研究の面白さを若い世代に伝えていきたいと考えています。自分で腎生検標本を見て、自分で内シャントを責任もって作り、自分でその血管を穿刺する。大きな医局だとサブグループに分かれてしまって、できそうで、できないものです。

 私たちは、新しい科ならではのスピード感を持って院内のニーズに応えるとともに、新しい検査や治療を世界に発信する腎臓内科でありたいと強く願っています。

 出身大学にかかわらず、腎臓内科を志すやる気のある医師を若手・ベテラン問わず広く歓迎します。

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