BLOOD血液

血液外来では、毎月60~70名の新患の患者さんが訪れ、年間の患者さんは約5000名に昇り、埼玉県東部の血液疾患診療の一大拠点となっております。

血液疾患の診療においては、末梢血・骨髄の血球形態、白血球CDマーカーや染色体・遺伝子検査、 リンパ節病理組織像や各種画像診断を駆使し、専門的に的確な診断を下しております。 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などに対する化学療法では、副作用に留意しつつ、 次々に登場する新薬を導入した最先端の治療を施行しております。

また、無菌治療室6床も稼動し、急性白血病に対する寛解導入療法のときなどに使用しております。

悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の放射線照射適応例では、当院放射線科との密接な連携のもとに治療を進めております。

播種性血管内凝固症候群 (DIC)、血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP)、後天性血友病などの凝固異常症の診断・治療も行っております。

また、当科では骨髄線維症など治療の難しい血液疾患に対する新規治療薬の臨床試験に参加しております。さらに、2021年4月より多発性骨髄腫、悪性リンパ腫に対して、自家末梢血幹細胞移植療法を実施しております。今後、白血病などに対して、同種移植やT細胞免疫療法を行えるように準備を進めています。現在、同種移植の適応のある患者さんにつきましては、連携している東京都内や埼玉県内の移植専門病院にご紹介しております。

target disease対象疾患

骨髄性腫瘍 急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病
リンパ性腫瘍 急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞性白血病・リンパ腫
各種貧血 再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、その他の溶血性貧血、赤芽球労、腎性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血
血小板減少 特発性血小板減少性紫斑病 (ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP)
凝固異常症 播種性血管内凝固症候群 (DIC)、後天性血友病、先天性血友病、フォン・ウィルブラント病
その他 特発性血小板減少性紫斑病 (ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP)

study研究について

  • 多発性骨髄腫における免疫チェックポイント分子の機能解析と免疫治療の開発、
    リキッドバイオプシーの研究、免疫抑制性樹状細胞の研究
  • 白血病の各種遺伝子解析
  • 慢性骨髄性白血病のチロシンキナーゼ阻害薬の合併症および予後に関する臨床研究
  • 顆粒リンパ球増多症に置けるSTAT3

競争的研究資金

  • 骨髄腫におけるKL-6およびMUC-1-galectin-3による増悪化機序の解析
  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫における髄外腫瘤(形質細胞腫)に対するダラツムマブの有効性の検討