解剖実習室改装の報告

改装の主旨

 解剖実習室および処置室では学生の解剖実習、標本作製、遺体の防腐処置
さらに防腐処置した遺体の保管が行われる。遺体には防腐のためにホルマリン、
フェノールをはじめとした様々な薬品や有機溶媒が使われており、実習室・処
置室では厚生労働省の示す作業環境におけるホルマリン濃度を越えるホルマリ
ンが検出されている。実習中の実習室でも一定以上のホルマリンが検出されて
おり、シックハウス問題が社会的にも大きく取り上げられる昨今において、学
生のホルマリン過敏症に的確な対処ができる改善を基本方針に改装案を立案し
た。とくに空調設備、壁面塗装についてはホルマリン対策に重点をおいた。ま
た、解剖実習は長期間行われることを考慮し、作業環境を向上するための方策
も多数採用し、さらに教育効果を上げるために必要と考えられる設備について
も積極的に導入を検討した。(本報告は2003年の第1回改装の分です。さらに、
2012年に第2回改装を行っており、次回その分を含めた報告に更新する予定
です。)

改装後の実習室全景
床は硬質ウレタンを使用 床からの立ち上がり部分(腰壁)にメラミンボードを採用

天井は全て光触媒塗装 
蛍光灯は間に一列ずつ増やし、倍に
天井から吊り下げ式リーラーコンセントを各実習台分設置(左右上下の移動が可能

実習室後部 
      ガス吸着装置は実習室の四隅に配置
      実習室内の扉を全てスライドドアの変更(気密性が向上)

処置室
ラミナフロー解剖台の設置


環境設備・教育機器

ホルマリン対策関係