数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)

 

 本学は、全学的な基盤教育に数理・データサイエンス・AIならびにICTに関する内容を学べる科目群を設置しています。
 この科目群は、文部科学省が定める「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」に認定されています。(認定の有効期限:令和9年3月31日まで)

文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」 本学の申請内容(PDF)
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1.教育プログラムの名称

数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)

2.身につけることができる能力

 本教育プログラムでは、AI・データサイエンスが実社会、特に医学/医療領域においてどのように役立っているのかを理解するとともに、その基礎となる統計分析の基本的な方法、機械学習などに関する知識とスキルを学修します。また、データサイエンスやAIが社会において、また自分自身の生活や医学/医療領域における課題の解決に活用できることを学修します。これらを通じて、数理・AI・データを活用するためのリテラシーを高めます。

  • 情報化社会やSociety 5.0の概念、および、医学/医療領域との関連について説明できる
  • AI、IoT、ロボット、XRなどの現状、今後の展開と、医学/医療領域との関連について説明できる
  • データリテラシーの視点(読む/説明する/扱う)を踏まえたデータ分析、資料作成、発表ができる
  • データやAIを扱う、および、データを守る上で留意すべき点を含む情報倫理、情報セキュリティについて理解し十分な対応ができる

3.教育プログラムの修了要件、授業の方法および内容

次の単位を取得することで数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)を履修したこととなります。

2021年度入学生から
学 部 授業科目 授業の概要および到達目標
医学部 医学情報リテラシー
(必修1単位)
シラバス(PDF)
【授業の概要】
 授業方法:反転授業形式・ディスカッション・グループワーク・実習・プレゼンテーション
 情報化社会の進展により,医学・医療分野において情報通信技術(Information and Communication Technology (ICT))の導入が進んできた。さらに,今後の新たな社会としてSociety 5.0が示される中,ビッグデータ等を活用する データ駆動型社会への移行や,それに関わるAI(人工知能),IoT(モノのインターネット),あるいはロボット等の技 術革新が大きく社会生活を変え,教育や医療分野においても活用による変革が進んでいく。そのため,医学生にも,従 来からのICT活用のリテラシーに加え,新たなテクノロジーやデータサイエンスの活用に対応できるリテラシーが必須 となっている。このようなことから,本科目では,従来からのICTリテラシーの学修内容に加え,新たなテクノロジー やデータサイエンスに対応したリテラシーを育む構成としている。また,本科目は,本学の「数理・データサイエン ス・AI教育」のリテラシーレベルのプログラムとして位置付けている。

【到達目標】
1)情報化社会,Society 5.0の概念および,医学・医療領域との関連について概要を説明できる。
2)AI, IoT, ロボット, XRなどの現状・今後の展開と,医学・医療領域との関連について説明できる。
3)データサイエンスおよびデータ駆動型社会の概念を説明でき,データ分析の基本的な手法を用いることができる。
4)データリテラシーの視点(読む・説明する・扱う)を踏まえ,資料作成および発表(プレゼンテーション)ができる。
5)データ・AIを扱う,データを守る上で留意すべき点を含む情報倫理・情報セキュリティについて概要を説明でき, 基礎的な対応ができる。
看護学部 情報リテラシー
(必修1単位)
シラバス(PDF)
【授業の概要】
 授業方法:講義・演習
 高度情報化社会において、情報を処理し活用する基礎的能力を高めるために、適切な情報の検索、入手、情報手段を自主的に選択し活用していくための基本的な知識について学修する。

【到達目標】
1.医療・看護の情報化およびSociety5.0を含む社会的な変革の概要について説明する。
2.適切な情報・データの入手方法・取り扱いについて、医療・看護における特色を理解し、説明する。
3.医療・看護における情報倫理や情報セキュリティについて、対応を含めて理解し、学生生活の中で活用する。
4.人工知能、IoT、ロボット等を活用した新たな医療・看護について利点と課題点、現状と今後を説明する。
情報リテラシー演習
(必修1単位)
シラバス(PDF)
【授業の概要】
 授業方法:講義・演習
 情報リテラシーで学んだ知識を活用し、情報社会で必要不可欠とされる情報機器の操作法、情報および情報手段を自主的に選択し活用していくための基礎的な技術を修得する。コンピュータに慣れ親しみ、 コンピュータを用いて簡単なテキスト、表、グラフ、画像を作成する技術および基本的な統計処理技術を修得する。

【到達目標】
1.医療・看護の情報化およびSociety5.0を含む社会的な変革に向けて、基本的なリテラシーを身につけ、利用する。
2.AI、IoT、ロボット等のテクノロジー活用およびデータサイエンス活用について実際に体験・調査し、説明・発表する。
3.オンライン環境を介した適切なコミュニケーション、情報共有、連携および共同作業を行う。
4.データサイエンス・データ駆動型社会の概念を理解した上で、情報・データの読み解き、説明、取り扱いを適切に行う。
5.情報・データを適切に取り扱い、まとめ、レポートの作成をソフトウェアやオンライン環境を用いて適切に行う。
6.情報・データを適切に取り扱い、まとめ、表、グラフの作成および基本的な統計的処理などをソフトウェアやオンライン環境を用いて適切に行う。
7.情報・データを適切に取り扱い、まとめ、説明・プレゼンテーションの実施をソフトウェアやオンライン環境を用いて適切に行う。

4.実施体制

 本プログラムの実施体制を下に示します。
プログラムを改善・進化させるための体制:情報基盤センター
プログラムの自己点検・評価を行う体制:情報基盤センター

5.授業に含まれている内容・要素

 本プログラムを構成する授業は、数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムにおける「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)のモデルカリキュラム」の導入、基礎、心得に相当する科目です。モデルカリキュラムで示される内容と本プログラムを構成する授業の授業概要、各回の講義テーマとの対応関係を下表に示します。

医学情報リテラシー(医学部)
授業に含まれる内容・要素 授業概要
(1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、それが自らの生活と密接に結びついている 1-1 
社会で起きている変化を把握するため、医療における変革に関する内容をきっかけに、Society5.0への移行や、ビッグデータ、IoT、AI、ロボットに関して学修するとともに、自らとの関わりについても考える機会とします。

1-6
AIやロボット等を活用した事例、さらにそれに伴う新たなビジネスモデルについて、医療に関することを中心に、幅広い領域における動向を学修します。
(2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得るもの 1-2
公開されている統計データや個人で収集したデータをもとに日常生活の分析と改善について検討し、データを実生活に役立てる手段について学修します。
1-3
AI活用領域の広がりとして、医療における展開やその中での判断支援、活動代替などに関すること、また、それらに関わる研究開発に関することについて学修し、考える機会とします。
(3)様々なデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が示され、様々な適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等)の知見と組み合わせることで価値を創出するもの 1-4
公開データや個人で収集したデータを分析するための手段として、データの可視化、データ解析手法の適用について学修します。
1-5
画像認識を用いたデータ収集の実例について実践的に学修します。また、医療や健康管理に関するデータを用いた事例等を通して、現場における変革について学修します。
(4)活用に当たっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、情報セキュリティや情報漏洩等、データを守る上での留意事項への理解をする 3-1
個人情報保護、データ倫理等に関する実例を紹介した動画を視聴しながら解説し、グループワーク形式で議論します。また、医療におけるAIの活用例等から、AIサービスの責任論についても学修します。
3-2
様々な場所で発生するデータや、それが扱われている幅広い環境について理解する機会を設けるとともに、情報漏洩等のセキュリティ事案について実例を紹介しながら学修します。
(5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの 2-1
実際の医療・健康関係のデータを題材として、データの種類や分布、性質の違いやばらつきなどを学修します。

2-2
実データを用いて表計算ソフト上で図表を作成し、データの表現手段とその意味について学修します。
2-3
種々の公開されているデータ(CSV)等を用いて、データの集計や並び替えなどについて実践的に学修します。また、テキストマイニング等の結果を示し、様々な形でデータを扱うツールがあることを学修します。
情報リテラシー/ 情報リテラシー演習(看護学部)
授業に含まれる内容・要素 授業概要
(1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、それが自らの生活と密接に結びついている 1-1
社会で起きている変化を把握するため、医療・看護領域における変革に関する内容をきっかけに、Society5.0への移行や、ビッグデータ、IoT、AI、ロボットに関して学修するとともに、自らとの関わりについても考える機会とします。

1-6
AIやロボット等を活用した事例、さらにそれに伴う新たなビジネスモデルについて、医療・看護に関することを中心に、幅広い領域における動向を学修します。
(2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得るもの 1-2
AIによるレコメンドの概要、次世代医療基盤法の概要を通して、人の行動ログデータ、データのオープン化について学修します。
1-3
AI活用領域の広がりとして、医療における展開やその中での判断支援、活動代替などに関すること、また、それらに関わる研究開発に関することについて学修し、考える機会とします。
(3)様々なデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が示され、様々な適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等)の知見と組み合わせることで価値を創出するもの 1-4
人工知能とは何か、機械学習の概要、Google Teachable Machineの画像認識を利用した演習を通して、今のAIで出来ることと出来ないこと、AIとビックデータの関係、認識技術等について学修します。
1-5
画像認識を用いたデータ収集の実例について実践的に学修します。また、医療や健康管理に関するデータを用いた事例等を通して、現場における変革について学修します。
(4)活用に当たっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、情報セキュリティや情報漏洩等、データを守る上での留意事項への理解をする 3-1
社会的に問題となった事例を通して、データバイアス・AI活用における負の事例について学修します。忘れられる権利(検索エンジンの検索結果からの削除を求める等の権利)に関する議論を通して、その重要性について学修します。
3-2
様々な場所で発生するデータや、それが扱われている幅広い環境について理解する機会を設けるとともに、情報漏洩等のセキュリティ事案について実例を紹介しながら学修します。また、悪意ある情報搾取の一例としてファイル名の偽装等を体験し、その具体的な対策方法や安全なパスワード管理の重要性と方法について学修します。
(5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの 2-1
脱落バイアスを悪用した宣伝の例、起点を変えてグラフを作成することで異なった印象を与える例等、悪意のある統計結果の一例を紹介し議論することで、統計情報の正しい理解の大切さについて学修します。学生自身が回答したアンケートの結果を利用した分析実習を通して、データの種類、代表値、データのばらつき、相関と因果、クロス集計表等について学修します​。
2-2
学生自身が回答したアンケートの結果を利用した分析とその結果をレポートに纏める実習を通して、データの表現(グラフ)等について学修します​。
2-3
総務省統計局が提供している人口推計のデータをe-Stat(政府統計の総合窓口)からダウンロードし、それを基に将来の日本の人口分布を予測する演習を通して、必要な統計情報の入手方法、表形式のデータ(CSV)、データ解析ツールでできることを学修します。学生自身が回答したアンケートの結果を利用した分析実習を通して、データの集計、データの並び替え等について学修します​。

6.教育改善・質保証(自己点検・評価)

数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)に関する自己点検・評価結果を示します。以下のリンクから参照ください。
2022年度の自己点検・評価結果 (PDF)
2021年度の自己点検・評価結果 (PDF)