高齢者のかたが急増している社会的背景と、脳梗塞など神経疾患の治療の進歩によりの重度の疾患から回復されるかたがたが増加しています。また、頭頸部領域の腫瘍の拡大手術などの手術技術の進歩により昨今、嚥下障害を抱えているかたがたが増加しています。
嚥下には、口腔、舌、咽頭、喉頭の運動が非常に重要です。我々耳鼻咽喉・頭頸部外科は、それら飲み込みの行為に欠かせない器官を直接診察する重要なポジションにいます。院内では摂食嚥下サポート委員会が立ち上がり、当科、リハビリテーション科、口腔外科、認定看護師、看護部、栄養部、薬剤部等と協力し嚥下障害患者の診断治療にあたっています。
嚥下外来は毎週木曜日午後2時より藤沢(非常勤講師)、岡田、豊後(言語聴覚士)、そして私、後藤担当しております。まず一般外来を受診していただき、そこで診察を受け、嚥下障害の精査が必要と判断されると当外来を受診します。専門外来では嚥下障害診療ガイドラインに示されているアルゴリズムに従い、一般外来の情報を元にさらに詳細に問診、診察し、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査をおこなっています。検査後直ちに主治医や看護師、言語聴覚士とともに検査結果を検討し、治療方針を決定しています。障害の部位・程度に応じて言語聴覚士や看護師、さらには家族の方にも協力をいただいて嚥下指導(嚥下リハビリテーション)や外科的治療の判断をおこなっています。
文 後藤