肺分画症

分類・特徴

肺分画症は正常な肺組織とは分画された肺組織で、肺葉内(肺内型)と肺葉外(肺外型)の肺分画症があります。肺葉内肺分画症は、異常血管(動脈)により栄養された異常肺組織が肺内にあるもので、左肺に多く(60-90%)、下葉に好発します。大動脈から栄養を受け、静脈は肺静脈と連続します。消化管との交通は稀です。一方、 肺葉外肺分画症は横隔膜の上下に好発し、90%が左側で、静脈は奇静脈、半奇静脈、門脈などと連続します。消化管との交通や横隔膜ヘルニアなどの他の奇形をともなうことがあります。図は、肺葉内肺分画症(図上)と肺葉外肺分画症(図下)を示します。

診断

胸部X線検査とMRIなどで診断します。図は、肺葉外肺分画症のX線像(図上)、MRI像(図中、白色高信号部分)、MRIによる異常血管の描出(図下)を示します。

治療

肺分画症が肺炎や正常肺の圧迫で呼吸障害の原因となる場合などには肺葉切除や分画肺の切除が行われます。図は、肺葉外肺分画症における正常肺(赤矢印)と分画肺(黄矢印)(図上)、手術による異常血管の切離(図中)、摘出した分画肺の病理組織像(図下)を示します。