消化管ポリープ

特徴

こどもの消化管ポリープは大腸にできるものが大部分で、その半数以上が直腸やS状結腸にできます。ポリープは下血や血便、腸重積症の原因となり、また、肛門から脱出することもあります。大腸にできるポリープの大部分は若年性ポリープと呼ばれる良性のポリープです。通常、入学前の幼児に発生し、下血や血便、肛門からの脱出または自然脱落(ポリープがちぎれて肛門から排泄される)により発見されます。大量出血や貧血、腸重積、腹痛などの原因になるため 、発見されたら外科的、または内視鏡的な切除の対象となります。図は、ポリープからの出血(図上)と、ポリープが肛門から脱出 した様子(図下)を示します。

その他の消化管ポリープ

若年性ポリポーシスは、若年性ポリープが消化管に多発し、消化管以外の病変(精神発達遅滞、大頭症、先天性心疾患など)をともないます。ポリープは癌化することあり、ポリープ切除による症状のコントロールと、場合によっては大腸の全摘手術が行われます。原因遺伝子は10番染色体(10q23)と18番染色体(18q21.1)に同定されています。ポイッツ・ジェガース(Peutz-Jeghers)症候群は、消化管のポリープと口唇の色素沈着を特徴とする症候群です。ポリープは胃から直腸までの広い範囲に発生し、出血による貧血や腸重積症の原因となります。ポリープは通常、良性ですが、一部に癌化することも知られています。原因遺伝子が19番染色体(19p13.3)に同定されています。家族性腺腫性ポリポーシスは、大腸全体に小さな腺腫が多発します。10歳から20歳台に下痢や下血、腹痛などで発症します。腺腫は高率に癌化することが知られ、大腸の全摘手術が行われます。原因遺伝子が5番染色体(5q21)に同定されています。