包茎

診断

包茎は亀頭(陰茎の先端)が包皮に被われた状態で、真性包茎仮性包茎に分類されます。真性包茎は包皮の先が狭く、亀頭を露出できない状態で、仮性包茎は亀頭が包皮に包まれていても包皮をむいて亀頭を露出することができる状態です。生まれたばかりの赤ちゃんの大部分が真性包茎ですが、3歳頃までに自然に改善し、真性包茎の割合は10人に1人程度に減少します。一般に治療の対象となるのは真性包茎です。

手術

手術の必要性については、医師や施設により考え方に若干の相違があります。また、包茎については、民族や宗教によっても対処方法が異なることも事実です。一方、真性包茎では亀頭包皮炎(稀には尿路感染)や、高度な真性包茎の場合には排尿障害の原因になることも指摘されています。当施設では、無症状の包茎に対しては経過観察のみでよいと考えていますが、亀頭包皮炎(陰茎の先端や包皮が赤く腫れたり、下着が膿で汚れる)を繰り返す場合や、排尿時に尿が包皮の中にたまり風船のように膨らむ、あるいは尿が細くてしずくとなって滴るなどの症状がある場合には、手術が有効と考えています。

手術法

手術法には、包皮口をひろげるZ形成術、包皮を切除する還状切除術などがあります。Z形成術だけでも、包皮を剥けるようになり、亀頭を清潔に保つことができるようになります。当施設では、いずれの手術法も採用していますが、年齢や症状により手術法を使い分けています。手術後の包皮の形は手術法により異なりますので、あらかじめ担当医から充分に説明を受けてください。 写真は手術(Z形成術)の前と後の状態を示します。

注意点

包茎に関連していくつかの注意事項があります。包皮癒着は包皮と亀頭の間の癒着で、無理にはがす必要はありません。年齢とともに徐々にはがれます。恥垢は包皮と亀頭の間にたまった白色の垢ですが、これも無理に取り除く必要はありません。無理な包皮の拡張や剥離も避けるべきです。無理な包皮剥離はこどもに大変な苦痛で、場合によっては出血、裂傷、裂傷後の瘢痕化、嵌頓包茎などの原因になります。手術後などの特別の場合を除いて安易に行うべきではありません。嵌頓包茎は、狭い包皮を無理に剥いたままの状態で、図のように陰茎の先端に循環障害をおこし、放置すれば陰茎が壊死する危険があります。