腸重積症

特徴

腸重積症は2歳位までの乳児に発症することが多い、緊急を要する病気の一つです。頻度のピークは7-8カ月頃の乳児期にあります。突然に発症し、不機嫌にぐずったり、落ち着いたりというのを繰り返すのが特徴です。血便(粘血便)や嘔吐もみられます。かぜや下痢症状が先行し、春から夏にかけて、また冬に多いと言われます。

原因

95%の例では、腫れたリンパ節(パイエル板)が便のように腸内へ送られることが原因で腸が腸の中に入り込み(重積する)発症すると考えられています。一方、数%の頻度で腸の病変(メッケル憩室、ポリープ、消化管重複症、悪性リンパ腫など)が原因で腸重積症を発症することがあります。 図は、腸重積症の原因となった盲腸重複症(図上)、メッケル憩室(図中)、悪性リンパ腫(図下)を示します。

診断

腹部超音波検査で特徴的な腸が腸に入り込んだ像(ターゲット像が描出されます。大腸内に造影剤を入れると、入り込んだ腸により”カニバサミ“または”カニ爪“状の像がみられます。図は腸重積症の造影所見(図上)を示します。