先天性食道狭窄症

発生・分類

先天性食道狭窄症は食道の一部が生まれつき狭くなっている状態(狭窄、きょうさく)です。頻度は、25,000-50,000人に1人で、先天性食道閉鎖症に1-2%の頻度で合併することが知られています。複数の狭窄があることもあります。先天性食道狭窄症は膜様狭窄筋線維性肥厚性狭窄気管原基迷入型狭窄の3つのタイプに分類されます。膜様狭窄では、食道内に粘膜の膜があり、ミルクや食物の通過をわるくします。筋線維性肥厚性狭窄では、食道壁の筋組織の一部が厚くなり食道が狭くなります。他のタイプに比べて狭窄の範囲が長い特徴があります。気管原基迷入型狭窄は食道壁に軟骨組織などがあるもので、先天性食道閉鎖症に合併するのはこのタイプが多いとされています。

症状

ミルクを飲んでいる間は症状が出ないこともありますが、離乳食が始まり固形物を摂取するようになると、吐いたり、食べ物がつまったり、体重増加不良や体重減少の原因になります。

診断

診断には食道の造影検査、内視鏡、超音波内視鏡検査などを行います。似たような症状を呈する食道アカラシア、逆流性食道炎(胃食道逆流症)による食道狭窄などとの鑑別が必要です。

治療

ブジ―やバルーンを用いた食道拡張術を行いますが、これらの効果がない場合には、膜切開術や食道狭窄部の切除術、食道筋層の切開術などが必要なことがあります。