熱傷

分類

小児の熱傷の多くは家庭内で発生する事故で、大部分は未然に防止しうるものです。しかし、熱傷は小児の救急疾患の中で実際には頻度が多いことも事実です。熱傷は深度(深さ)、受傷面積、受傷部位などにより治療や経過が異なります。深度が1度の熱傷は、皮膚表面(表皮)の熱傷で、赤くなりますが1週間程度できれいに治ります。浅達性2度の熱傷は、皮膚真皮の浅層までの熱傷で、水疱をつくりますがあとを残さず1-2週間で治ります。深達性2度の場合は、真皮の深層に達する熱傷で、水疱の下は白色を呈します。治療に3週間以上を要し、瘢痕を残します。3度の熱傷は皮膚全層の熱傷で、受傷部は真珠様の白色を呈し、瘢痕化するまで1カ月以上を要します。

特徴

当施設におけるこれまでの経験から、小児の熱傷には以下のような特徴があります。受傷時の年齢は0歳、1歳の小児が全体の2/3を占めています。図は受傷年齢と性別の分布を示します。

受傷原因は、ポットの湯、味噌汁、ラーメンのスープなどの熱湯(熱性液体)が最も多く、次いで調理器具や暖房器具です。受傷部位は上下肢の熱傷が多く、これは小さいこどもが自分で手を伸ばし、熱湯をあびることが多いためです。深度は1度または浅達性2度が大部分ですが、全体の6%は深達性2度または3度の熱傷です。図は、深度の分布を示します。

治療

熱傷の治療は、初期の全身治療と局所治療に大別されます。全体の約90%が外来治療、約10%は入院を必要とします。