急性陰のう症:精巣捻転

特徴

急性陰のう症は陰のうの突然の痛み、発赤、腫れなどを症状とし、早急に診断、治療が必要な状態です。精巣捻転精巣垂・精巣上体垂捻転などが急性陰のう症の原因となります。

精巣捻転

精巣が捻転(ねじれる)し、精巣に血液が流れなくなるために精巣が壊死してしまう状態です。思春期に多くみられますが、新生児にもみられることがあります。精巣の位置や固定の異常が原因の一つと考えられています。診断には超音波検査、精巣シンチグラムなどが用いられますが、疑わしい(捻転が否定できない)場合には手術が必要となります。図は、正常の精巣(赤)、精巣上体(青)、精索(緑)の関係(図上)と、新生児期に多い精索が捻転するタイプ(図中)、思春期に多い精巣が精巣を包む膜の中で捻転するタイプ(図下)を示します。

精巣垂・精巣上体垂捻転

精巣垂・精巣上体垂は胎生期のミューラー管・ウォルフ管の遺残組織ですが、捻転をおこすとやはり急性陰のう症の原因になります。図は、正常の精巣垂や精巣上体垂を示しますが、このような小さな精巣垂や精巣上体垂が急性陰のう症の原因になります。