平成29年度 獨協医科大学越谷病院眼科専門医研修プログラム

プログラムの目的

  眼科臨床では小児から高齢者までを対象とした多彩な眼疾患を診療する。また、眼科の治療面では内科的ならびに外科的な治療が必要であり、幅広い医療技術の習得が求められている。特に、獨協医科大学越谷病院のように地域を担った医療機関では、幅広い眼科領域での高い臨床技術が求められる。当院では下記の目標を掲げ眼科医の育成を目指す。
1. 一般眼科に精通し、幅広い知識と技術を備えた眼科医
2. 専門性の高い眼科医療を行える眼科医
3. 一般診療所のみならず総合病院の眼科医として勤務するために必要かつ十分な診療技術を身に付け、地域医療に貢献できる眼科医
4. 学会ならびに論文発表を通じて眼科学の発展に貢献できる眼科医


指導医と専門領域

A. 研修基幹施設:獨協医科大学越谷病院
(年間 内眼手術2,279件、外眼手術130件、レーザー手術460件)
1.指導医ならびに専門医
プログラム統括責任者:町田 繁樹(主任教授)
指導医: 鈴木 利根(教授) 神経眼科、小児眼科、眼窩・眼付嘱器
筑田 眞(特任教授) 網膜硝子体、ぶどう膜
武藤 哲也(講師) 角結膜、白内障
忍田 栄紀(講師) 緑内障、白内障
林 麗如(助教) 斜視、弱視、屈折矯正、白内障
専門医: 西村 智治(助教) 網膜硝子体、ぶどう膜
仙田 翠(助教) 屈折矯正、白内障
2.手術件数(平成27年1月1日から12月31日まで)
3.当院における研修の概要
1)外来診療:当院眼科の平成27年の外来受診総数ならびに新患患者総数は、それぞれ40,840および5,131人で、幅広い領域で多くの症例数を有する。再来は専門性となっており、斜視・弱視、眼窩、涙器、神経眼科、角結膜、白内障、網膜硝子体・ぶどう膜、緑内障、ロービジョンおよび一般眼科疾患の再来があり、各再来で経過観察ならびに加療を行っている。
専攻医は、研修期間の最初の1年間に新患患者を診察することで幅広い領域の眼疾患を経験する。2年目からは各再来をローテンションし、専門性の高い診療を経験する。
2)病棟診療:上記のように、当院では多彩な眼科疾患を対象とした眼科手術を施行している。専攻医が経験すべき眼科手術がほぼ全て網羅されており、専攻医が主治医となり、これらの手術の執刀医あるいは助手として治療に関与することができる。
3)救急外来:週1回の眼科当直を行い、眼科救急疾患を経験する。
4)連携および関連施設:地域の医療を担っている病院あるいは診療所との連携を構築している。これらの施設での診療を通じて地域医療を経験する。
5)勉強会・症例検討会:専攻医は、毎週火曜日の抄読会・勉強会(クルズス)に参加し、最新の情報を得るとともに、眼科的知識の向上を目指す。また、専攻医自身が定期的に会を担当し、プレゼンテーションのトレーニングを行う。同日、症例検討会も開催されるので、これにも参加する。
また、年二回の獨協医科大学越谷病院研究会で症例報告あるいは臨床研究の成果の発表を行う。

B. 専門研修連携施設
吉田眼科病院(手術件数 3535)
指導管理責任者:吉田 紳一郎
専門医:吉田 紳一郎、吉田 玄雄、目谷 千聡、佐藤 浩介、松本 佳浩、吉田 登茂子
栗原眼科病院(手術件数 5763)
指導管理責任者:栗原 秀行
専門医:栗原 秀行、鈴木 茂揮、西野 和明
今泉眼科病院(手術件数 1070)
指導管理責任者:今泉 信一郎
専門医:今泉 信一郎、・壺内 鉄郎

C. 関連施設
春日部中央総合病院(地域医療)
八潮中央病院(地域医療)
三須医院(地域医療)
西部総合病院(地域医療)
蔡眼科医院(地域医療)
大沢医院(地域医療)

研修開始時期と期間

平成29年4月1日~平成33年3月31日
研修を行う専門研修連携施設および研修時期・期間は、専攻医ごとに適宜変更あり。

応募資格: 1)日本国の医師免許を有する者
2)医師臨床研修修了登録書を有する者(第98回以降の医師国家試験合格者について必要、平成29年3月31日までに臨床研修を修了する見込みの者を含む)
応募期間: 平成28年8月1日~平成29年1月31日
選考方法: 書類選考および面接により選考する。面接の日時・場所は別途通知します。
応募書類: 願書、希望調査票、履歴書、医師免許の写、臨床研修修了証の写
お問い合わせ先および提出先


プログラム概要

 研修期間の最初の2年間は研修基幹病院である獨協医科大学越谷病院で研修を行なう。この期間内に多彩な症例を外来・病棟診療で経験する。また、週1~2回、研修連携施設あるいかは関連施設にて研修を行い、地域医療を経験する。
 4年目は、研修連携病院での研修を中心とし、地域医療の担い手の一人として臨床経験を積む。この期間中は週1回、研修基幹病院で専門再来を担当し、専門性の高い診療を経験する。
 また、2年目から社会人大学院を専攻することも可能で、臨床を中心とした研究を行い4年間で学位を取得する。この場合は、研修基幹病院で3および4年目の研修を続けながら、専門再来をローテンションするとともに、週1~2回の研修連携施設あるいかは関連施設での研修を継続する。

A. 社会人大学院を専攻しない場合
1) 1~3年目:獨協医科大学越谷病院で研修+週1-2回の連携あるいは関連施設での研修
2) 4~5年目:連携施設で研修
3) 5年目:眼科専門医試験
4) 6~9年目:獨協医科大学越谷病院で臨床経験を積む
5) 10年以降:獨協医科大学越谷病院あるいは連携施設での勤務を継続する。

B. 社会人大学院を専攻する場合
1) 1年目:獨協医科大学越谷病院で研修+週1-2回の連携あるいは関連施設での研修
2) 2~6年目:獨協医科大学越谷病院で研修+週1-2回の連携あるいは関連施設での研修を続けながら臨床研究を行う。6年目で大学院を修了し学位を取得する。
3) 5年目:眼科専門医試験
4) 7~9年目:連携施設で臨床経験を積む
5) 10年以降:獨協医科大学越谷病院で教職員として勤務、連携施設での勤務を継続あるいは海外に留学し研究を行う。


研修の週間計画

専門研修基幹施設:獨協医科大学越谷病院眼科、専攻医によって手術日が異なります。


朝*
午前
(9時~12時)
午後
(12時~17時)

(17時45分~
19時30分)
病棟回診 外来 外来、病棟教授回診
病棟回診 外来 手術、病棟 症例検討会
クルズス
抄読会
学会発表練習
病棟回診 外来 外来、病棟
病棟回診 手術 外来、病棟
病棟回診 外来 外来、病棟
病棟回診 外来、病棟

*朝は8~9時

・ 医療安全、感染対策、医療倫理に関する講習会にそれぞれ1回以上出席
・ 4月 オリエンテーション、コンピュータ端末講習、保険医講習会
・ 4月~9月 1週間の夏休み、10月~3月 1週間の冬休み
・ 月および水曜日の網膜電図外来があり、視覚電気生理学的検査の基礎を学びます。
・ 木曜日にロービジョン外来があり、ロービジョンケアについて学びます。
・ 症例検討会:症例によっては連携診療科との検討会も行う。
・ クルズス:眼科領域のみならず連携診療科から講師を招いて講義を行う。


専門研修連携施設:ここに代表例を示します。手術や症例検討会ならびに診療日の曜日等に若干の違いがあります。


朝*
午前
(9時~12時)
午後
(12時~17時)

(18~19時)
病棟回診 外来 手術 症例検討会
病棟回診 外来 手術
病棟回診 外来 外来、病棟
病棟回診 外来 手術
病棟回診 外来 外来、病棟
病棟回診 外来

到達目標

 専攻医は獨協医科大学越谷病院眼科研修プログラムによる専門研修により、専門知識、専門技能、学問的姿勢、医師としての倫理性、社会性を身につけることを目標とします。
A.専門知識

医師としての基本姿勢・態度、眼科6領域、他科との連携に関する専門知識を習得します。眼科6領域には、1)角結膜、2)緑内障、3)白内障、4)網膜硝子体・ぶどう膜、5) 屈折矯正・弱視・斜視、6) 神経眼科・眼窩・眼付属器が含まれます。到達目標、年次ごとの目標は別に示します。
B.専門技能
1. 診察:患者心理を理解しつつ問診を行い、所見を評価し、問題点を医学的見地から確実に把握できる技能を身につけます。
2. 検査:診断、治療に必要な検査を実施し、所見が評価できる技能を持ちます。
3. 診断:診察、検査を通じて、鑑別診断を念頭におきながら治療計画を立てる技能を持ちます。
4. 処置:眼科領域の基本的な処置を行える技能を持ちます。
5. 手術:外眼手術、白内障手術、斜視手術など、基本的な手術を術者として行える技能を持ちます。
6. 周術期管理など:緑内障手術、網膜硝子体手術の助手を務め、術後管理を行い合併症に対処する技能を持ちます。
7. 疾患の治療・管理:視覚に障害がある人へ、ロービジョンケアを行う技能を持ちます。年次ごとの研修到達目標は次項に示します。
C.学問的姿勢
1. 医学、医療の進歩に対応して、常に自己学習し、新しい知識の修得に努めます。
2. 将来の医療のために、基礎研究や臨床研究にも積極的に関わり、リサーチマインドを涵養します。
3. 常に自分自身の診療内容をチェックし、関連する基礎医学・臨床医学情報を探索し、Evidence-Based Medicine (EBM)を実践できるように努めます。
4. 学会・研究会などに積極的に参加し、研究発表を行い、論文を執筆します。
5. 獨協医科大学越谷病院の眼科医局では、各ジャーナルの最新版の目次が閲覧出来るようになっている。また、医局あるいは各自のパーソナルコンピュータから図書館のサイトを通して各ジャーナルの論文を無料でダウンロードできる環境を整えている。
D.医師としての倫理性、社会性
1. 患者への接し方に配慮し、患者や医療関係者とのコミュニケーション能力を磨きます。
2. 誠実に、自律的に医師としての責務を果たし、周囲から信頼されるように努めます。
3. 診療記録の適確な記載ができるようにします。
4. 医の倫理、医療安全等に配慮し、患者中心の医療を実践できるようにします。以内で定期的に開催される医療倫理、医療安全、院内感染対策セミナーに参加する。
5. 臨床から学ぶことを通して基礎医学・臨床医学の知識や技術を修得します。
6. チーム医療の一員としての実践と後進を指導する能力を修得します。

年次ごとの到達目標

 専攻医の評価は、プログラム統括責任者、専門研修指導医、専攻医の3者で行います。専門研修指導医は3か月ごと、プログラム統括責任者は6か月ごとの評価を原則とします。

A.専門研修1年目:眼科医としての基本的臨床能力および医療人としての基本的姿勢を身につけます
1. 問診・記録:病歴聴取、所見の観察、把握が正しく行え、診断名の想定、鑑別診断を述べる ことが出来るようにします。
2. 検査:診断を確定させるための検査の意味を理解し、実際に検査を行うことが出来るようにします。
3. 治療:局所治療、内服治療、局所麻酔の方法、基本的な手術治療を行うことが出来るようにします。
B.専門研修2年目:専門研修1年目の研修事項を確実に行えることを前提に、眼科の基本技能を身につけていきます。
C.専門研修3年目:より高度な技術を要する手術手技を習得する。学会発表、論文発表を行うための基本的知識を身につけます。後進の指導を行うための知識、技能を身につけます。
D.専門研修4年目以降:3年目までの研修事項をより深く理解し自分自身が主体となって治療を進めていけるようにします。 後進の指導も行います。

年次ごとの研修到達目標

下記の目標につき専門医として安心して任せられるレベル

基本姿勢・態度 1年目 2年目 3年目 4年目
1 医の倫理・生命倫理について理解し、遵守できる。
2 患者、家族のニーズを把握できる。
3 インフォームドコンセントが行える。
4 他の医療従事者との適切な関係を構築し、
チーム医療ができる。
5 守秘義務を理解し、遂行できる。
6 医事法制、保険医療法規・制度を理解する。
7 医療事故防止および事故への対応を理解する。
8 インシデントリポートを理解し、記載できる。
9 初期救急医療に対する技術を身につける。
10 医療福祉制度、医療保険・公費負担医療を理解する。
11 医療経済について理解し、それに基づく診療実践ができる。
12 眼科臨床に必要な基礎医学*の知識を身につける。
*基礎医学には解剖、組織、発生、生理、病理、免疫、遺伝、生化学、薬理、微生物が含まれる。
13 眼科臨床に必要な社会医学**の知識を身につける。
*社会医学には衛生、公衆衛生、医療統計、失明予防等が含まれる。
14 眼科臨床に必要な眼光学の知識を身につける。
15 科学的根拠となる情報を収集できる。
16 症例提示と討論ができる。
17 学術研究を論理的、客観的に行える。
18 日本眼科学会総会、専門別学会、症例検討会等に積極的に参加する。
19 学会発表、論文発表等の活動を行う。
20 自己学習・自己評価を通して生涯にわたって学習する姿勢を身につける。
21 生物学的製剤について理解する。
22 医薬品などによる健康被害の防止について理解する。
23 感染対策を理解し、実行できる。
24 地域医療の理解と診療実践ができる(病診、病病連携、地域、包括ケア、 在宅医療、地方での医療経験)。
25 先天異常・遺伝性疾患への対応を理解する。
26 移植医療について理解する。
27 アイバンクの重要性とその制度を理解する。
28 ロービジョンケアについて理解する。
29 視覚障害者に適切に対応できる。
30 後進の指導ができる。

角結膜 1年目 2年目 3年目 4年目
31 視覚障害者に適切に対応できる。
32 アデノウイルス結膜炎の診断ができ、感染予防対策がとれる。
33 角膜化学腐蝕の処置ができる。
34 結膜炎の鑑別診断ができ、治療計画を立てることができる。
35 角結膜感染症を診断し、培養および塗抹に必要な検体を採取できる。
36 ドライアイの診断ができ、治療計画を立てることができる。
37 上皮型角膜ヘルペスの診断と治療ができる。
38 円錐角膜の診断ができる。
39 角膜移植の手術適応を理解している。
40 角膜知覚検査ができ、結果を評価できる。

白内障 1年目 2年目 3年目 4年目
41 水晶体の混濁・核硬度を評価できる。
42 白内障手術の適応を判断できる。
43 角膜内皮細胞を計測、評価できる。
44 眼軸長を測定できる。
45 眼内レンズの度数計算ができる。
46 白内障手術の術前管理ができる。
47 白内障手術の術後管理ができる。
48 術後眼内炎を診断できる。
49 後発白内障を評価できる。
50 角膜知覚検査ができ、結果を評価できる。

緑内障 1年目 2年目 3年目 4年目
51 眼圧測定ができる。
52 隅角を観察し評価できる。
53 動的・静的視野検査ができる。
54 緑内障性視神経乳頭変化を評価できる。
55 緑内障性視野障害を評価できる。
56 緑内障治療薬の特性を理解している。
57 急性原発閉塞隅角緑内障の診断と処置ができる。
58 原発開放隅角緑内障の診断ができる。
59 続発緑内障の病態を理解している。
60 緑内障手術の合併症を理解している。

網膜硝子体・ぶどう膜 1年目 2年目 3年目 4年目
61 倒像鏡・細隙灯顕微鏡による網膜硝子体の観察ができる。
62 超音波検査ができ、結果を評価できる。
63 フルオレセイン蛍光眼底造影検査ができ、結果を評価できる。
64 電気生理学的検査ができ、結果を評価できる。
65 黄斑部の浮腫、変性、円孔を診断できる。
66 ぶどう膜炎の所見をとることができる。
67 糖尿病網膜症を診断でき、治療計画を立てることができる。
68 網膜剝離を診断でき、治療計画を立てることができる。
69 網膜動脈閉塞症を診断でき、治療計画を立てることができる。
70 典型的な網膜色素変性を診断できる。

屈折矯正・弱視・斜視 1年目 2年目 3年目 4年目
71 視力検査ができる。
72 屈折検査ができる。
73 調節について理解している。
74 外斜視と内斜視を診断できる。
75 弱視を診断でき、年齢と治療時期との関係を理解している。
76 眼鏡処方ができる。
77 両眼視機能検査ができる。
78 斜視の手術適応を判断できる。
79 コンタクトレンズのフィッティングチェックができる。
80 屈折矯正手術の適応を理解している。

神経眼科・眼窩・眼付属器 1年目 2年目 3年目 4年目
81 瞳孔検査ができ、結果を評価できる。
82 色覚検査ができ、結果を評価できる。
83 むき運動・ひき運動検査、Hess赤緑試験ができ、結果を評価できる。
84 視神経乳頭の腫脹・萎縮を評価できる。
85 涙液分泌・導涙検査ができる。
86 眼窩の画像を評価できる。
87 半盲の原因部位を診断できる。
88 甲状腺眼症の症状を理解している。
89 眼球突出度を計測できる。
90 視神経、眼窩、眼付属器の外傷を診察し、治療の緊急性を判断できる。

他科との連携 1年目 2年目 3年目 4年目
91 糖尿病患者の眼底管理、循環器疾患等の眼底検査が適切にできる
92 他科からの視機能検査や眼合併症精査の依頼に適切に対応できる。
93 他科疾患の関与を疑い、適切に他科へ精査を依頼できる。
94 眼症状を伴う疾患群に精通し、適切な診断ができる。
95 未熟児網膜症等の治療の必要性が判断できる。
96 眼科手術にあたり全身疾患の内容と軽重を把握し、他科と協力して全身管理ができる。
97 眼科手術あるいはステロイド投与時の血糖管理を内科医と協力して行える。
98 全身麻酔が必用な眼科手術患者の全身管理を麻酔科医と協力して行える。
99 全身投与薬・治療の眼副作用、眼局所投与薬の全身副作用に注意をはらえる。
100 他科の医師と良好な人間関係を構築できる。

研修到達目標の評価

● 研修の評価については、プログラム統括責任者、指導管理責任者(専門研修連携施設)、専門研修指導医、専攻医、研修プログラム委員会が行います。
● 専攻医は専門研修指導医および研修プログラムの評価を行い、4:とても良い、3:良い、2:普通、1:これでは困る、0:経験していない、評価できない、わからない、で評価します。
● 専門研修指導医は専攻医の実績を研修到達目標にてらして、4:とても良い、3:良い、2:普通、1:これでは困る、0:経験していない、評価できない、わからない、で評価します。
● 研修プログラム委員会(プログラム統括責任者、指導管理責任者、その他)で内部評価を行います。
● 領域専門研修委員会で内部評価を行います。
● サイトビジットによる外部評価を受け、プログラムの必要な改良を行います。


専門研修管理委員会

 専門研修基幹施設に専門研修プログラム管理委員会を置きます。専門研修プログラム管理委員会は、プログラム統括責任者、基幹施設の専門医指導医(1名)および各連携施設の担当者から構成され、専門研修プログラム全般の管理と、専門研修プログラムの継続的改良を行います。


専攻医の就業環境について

 専門研修基幹施設、専門研修連携施設はそれぞれの勤務条件に準じますが、以下の項目について、配慮がなされていることに対して研修施設の管理者とプログラム統括責任者が責務を負います。
1. 専攻医の心身の健康維持への配慮がされている。
2. 週の勤務時間の基本と原則が守られている。
3. 当直業務と夜間診療業務との区別、また、それぞれに対応した適切な対価が支払われている。
4. 適切な休養について明示されている。
5. 有給休暇取得時などのバックアップ体制が整備されている。


専門研修プログラムの改善方法

1. 専門研修プログラム管理委員会は、プログラムも含めて必要な改善を適宜行います。
2. 問題が大きい場合や専攻医の安全を守る必要がある場合などは、研修施設の管理者と専門研修プログラム統括責任者で総合的に判断し、専門研修プログラム委員会へ提言し、協力を得ることができます。
3. 専門研修指導医は眼科専門医指導医講習会に定期的(少なくとも5年に1回)参加する。


修了判定について

 修了要件は以下のとおりです。
1. 専門研修を4年以上行っていること。
2. 知識・技能・態度について目標を達成していること。
3. プログラム統括責任者が専門研修プログラム管理委員会の評価に基づき、研修修了の認定を行っていること。


専攻医が修了判定に向けて行うべきこと

 専攻医はプログラム統括責任者の修了判定を受けた後、日本専門医機構の眼科領域専門医委員会に専門医認定試験受験の申請を行います。医師以外の他職種の1名以上からの評価を受けるようにします。


専門研修施設とプログラムの認定基準

 獨協医科大学越谷病院眼科は以下の専門研修基幹施設の認定基準を満たしています。
1. 初期臨床研修の基幹型臨床研修病院の指定基準を満たす病院であること。
2. プログラム統括責任者1名と、眼科6領域の専門的な診療経験を有する専門医6名、他の診療科との連携委員1名の合計8名以上が勤務していること。
3. 原則として年間手術症例数が700件以上あること。
4. 症例検討会が定期的に行われていること。
5. 専門研修プログラムの企画、立案、実行を行い、専攻医の指導に責任を負えること。
6. 専門研修連携施設を指導し、研修プログラムに従った研修を行うこと。
7. 臨床研究・基礎研究を実施し、公表した実績が一定数以上あること。
8. 施設として医療安全管理、医療倫理管理、労務管理を行う部門を持つこと。
9. 施設実地調査(サイトビジット)による評価に対応できる体制を備えていること。
10. 研修内容に関する監査・調査に対応できる体制を備えていること。


専門研修連携施設

 獨協医科大学越谷病院眼科研修プログラムの施設群を構成する専門研修連携施設は以下の条件を満たし、かつ、当該施設の専門性および地域性から専門研修基幹施設が作成した専門研修プログラムに必要とされる施設です。
1. 専門性および地域性から当該研修プログラムで必要とされる施設である。
2. 専門研修基幹施設が定めた研修プログラムに協力して、専攻医に専門研修を提供する。
3. 指導管理責任者(専門研修指導医の資格を持った診療科長ないしはこれに準ずる者)1名以上が配置されている。
4. 症例検討会が定期的に行われている。
5. 指導管理責任者は当該研修施設での指導体制、内容、評価に関し責任を負う。


専門研修施設群の構成要件

 獨協医科大学越谷病院眼科専門研修プログラムの専門研修施設群は、専門研修基幹施設と専門研修連携施設が効果的に協力して一貫した指導を行うために以下の体制を整える。
1. 専門性および地域性から当該プログラムで必要とされる施設であること。
2. 専門研修基幹施設が定めた研修プログラムに協力して、専攻医に専門研修を提供すること。
3. 専門研修基幹施設と専門研修連携施設は研修プログラムを双方に持ち、カンファレンスや症例検討会で情報を共有し、双方で確認し合うこと。
4. 専門研修施設群で、専門研修指導医が在籍していない場合には、専門研修基幹施設が推薦する病院として指導の責任をもち、専門研修基幹施設の専門研修指導医が必ず週1回以上指導を行う。
5. 専門研修基幹施設と専門研修連携施設の地理的分布に関しては、地域性も考慮し、都市圏に集中することなく地域全体に分布し、地域医療を積極的に行っている施設を含む。
6. 専門研修基幹施設と専門研修連携施設は研修プログラム管理委員会で、専攻医に関する情報を6か月に一度共有する。


専門研修施設群の地理的範囲

 連携施設および関連施設は主に埼玉県の病院です。地域医療に配慮し、都市圏に偏在することなく、地域医療を担っている施設が含まれています。また、遠隔地(函館市と郡山市)の施設が含まれていますが、当施設での研修の際には飛行機あるいは新幹線での移動を原則とし、移動による時間のロスを最小限とする。専門研修基幹施設の眼科6領域の研修委員と他科診療連携委員、専門研修連携施設でカバーできないような領域を研修できる施設も含まれています。


専攻医受入れ数についての基準

 専攻医受入れ人数は専門研修指導医数、診療実績を基にして決定します。専攻医受入れは、専門研修施設群での症例数が十分に確保されていることが必要です。
専攻医受入れは、全体(4年間)で専門研修施設群に在籍する指導医1人に対し、専攻医3人を超えないように調整します。
募集定員:指導医1名につき3名までの専攻医の指導が可能と考えると、指導できる専攻医数は 5×3÷4=3.75となり、1学年約3名専攻医募集が可能となります。


診療実績基準

 獨協医科大学越谷病院の平成27年の年間手術件数は、内眼手術2,279件、外眼手術130件、レーザー手術460件で、専門研修施設群合計は、内眼手術7,682件、外眼手術895件、レーザー手術4,620件と年間5名が研修する上で充分な基準を満たしています。なお、法令や規定を遵守できない施設、サイトビジットでのプログラム評価に対して、改善が行われない施設は認定から除外されます。


眼科研修の休止・中断・プログラム移動、プログラム外研修の条件

1. 大学院※、海外留学、海外留学に同行の場合
2. 出産・育児、病気、介護で研修を中断した場合
1) 研修期間の中で産休(産前6週、産後8週、計14週)は研修期間に含めます。
2) 研修期間中で傷病や育児休暇により研修を中断する場合、研修期間の休止を本人が申請し、復帰する時には復帰申請を行い、残りの研修期間を補います。
3)上記以外の理由で委員会が認めた場合
休止申請を行い、認められれば専門研修を休止できます。
※大学院に在籍しても眼科臨床実績がある場合、専門研修指導医の証明とともに、眼科領域研修委員会に申請を行い、認められれば臨床実績を算定できます。


眼科研修プログラム管理委員会

 専門研修基幹施設に専門研修プログラム管理委員会を置きます。専門研修プログラム管理委員会は、プログラム統括責任者、基幹施設の専門医指導医(1名)および各連携施設担当者で構成され、専攻医および専門研修プログラム全般の管理と、専門研修プログラムの継続的改良を行います。プログラム管理委員会は以下の役割と権限を持ちます。
1) 専門研修プログラムの作成を行います。
2) 専門研修基幹施設、専門研修連携施設において、専攻医が予定された十分な手術経験と学習機会が得られているか評価し、個別に対応法を検討します。
3) 適切な評価の保証を専門研修プログラム統括責任者、専門研修プログラム連携施設担当者とともに行います。
4) 修了判定の評価を委員会で行う。本委員会は年1回の研修到達目標の評価を目的とした定例管理委員会に加え、研修施設の管理者や専門研修プログラム統括責任者が研修に支障を来す事案や支障を来している専攻医の存在などが生じた場合、必要に応じて適宜開催します。


専門研修実績記録システム、マニュアル等について

 専攻医は、眼科専門研修マニュアル(資料1)に基づいて研修します。研修実績と評価を記録し保管するシステムは眼科領域研修委員会の研修記録簿(資料2 エクセル形式*添付)を用います。専門研修プログラムに登録されている専攻医の各領域における手術症例の蓄積および技能習得は定期的に開催される専門研修プログラム管理委員会で更新蓄積されます。眼科領域研修委員会ではすべての専門研修プログラム登録者の研修実績と評価を蓄積します。指導医は眼科研修指導医マニュアル(資料3)を使用します。


専門研修指導医による指導とフィードバックの記録

 専攻医に対する指導内容は、研修記録簿に時系列で記入して、専攻医と情報を共有するとともに、プログラム統括責任者および専門研修プログラム管理委員会で定期的に評価し、改善を行います。
1. 専門研修指導医は3か月ごとに評価します。
2. 専門研修プログラム統括責任者は6か月ごとに評価します。


専研修に対するサイトビジットへの対応について

 専門研修プログラム統括責任者は日本専門医機構の行うサイトビジットによるプログラム評価を受けます。その評価は専門研修プログラム管理委員会に伝えられ、プログラムの適切な改良を行います。