クリニカルパスとは
ご自分が受ける医療の内容がまとまっています
患者さんの状態と診療を行う目標、および評価・記録を含む標準化された診療計画のことで、疾患ごとに治療や検査、看護ケアなどの内容をタイムスケジュール的な一覧形式にまとめられています。
患者さん用パスと医療スタッフ用パスがあり、医師、看護師、薬剤師やいろいろな職種からなるメディカルスタッフが一緒に検討して作成、運用しています。
医療スタッフ用パスは、医学的な根拠に基づく専門的かつ先進的な医療内容から構成されており、多職種が医療情報を共有することでスムースな連携を図り、安全で適切なチーム医療の推進に役立てられています。
わかりやすい医療の内容に向けて
医療スタッフ用パスが作成されている疾患ごとに患者さん用パスも作成されており、患者さん用パスではこれから受ける診療や検査、ケアなどの内容と予定が日ごとにイラストつきでわかりやすく示されております。入院が決まった時点でお渡しすることが多く、あらかじめ入院前にご本人やご家族がご覧になり、医療スタッフがご質問にお答えすることで、安心して医療をお受けになれます。
なお、複雑な病態である場合やクリニカルパスが作成されていない疾患の場合にはお渡しできないケースもあります。
当院での診療後に地域のかかりつけ医の先生方とクリニカルパスを共有する「地域連携パス」を用いて、複数の主治医(病院の担当医とふだんのかかりつけ医)の診療を受ける仕組みが進んできており、地域の先生方とのチーム医療にも役立っています。
患者さん用パス(例)
当院のクリニカルパス運用について
獨協医科大学埼玉医療センターでは、院内の標準化されたクリニカルパスの推進に精力的に取り組んでおります。院内のいろいろな職種から選ばれたメンバーから構成されるクリニカルパス推進委員会や2019年12月には総合患者支援センター内にクリニカルパス推進部門を設置、パス専任部門として登録・管理、運用支援や職員教育などを通して多くのクリニカルパスを用いた医療が実現できるようになりました。大学病院であるので、医学部学生などへのクリニカルパス教育にも力を入れています。
医療者用クリニカルパス一覧
(2023年10月11日現在)
糖尿病内分泌・血液内科 |
副腎静脈サンプリングパス |
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呼吸器・アレルギー内科 |
気管支鏡検査(入院)パス |
消化器内科 |
肝動脈化学塞栓術(TACE・TAI・TAE)パス |
循環器内科 |
心臓カテーテル検査(CAG)パス |
腎臓内科 |
腎生検パス |
脳神経内科 |
髄液検査パス |
小児科 |
成長ホルモン分泌負荷試験パス |
皮膚科 |
円形脱毛症ステロイドミニパルス療法パス |
外科 |
大腸ポリペクトミーパス |
乳腺科 |
甲状腺亜全摘半切術パス |
整形外科 |
脊髄造影検査パス |
心臓血管外科 |
造影CTパス |
呼吸器外科 |
気胸パス |
小児外科 |
上部消化管検査パス |
産婦人科 |
羊水検査パス |
眼科 |
眼科ステロイドパルス療法パス |
耳鼻咽喉・頭頸部外科 |
顔面神経麻痺 ステロイド治療パス |
脳神経外科 |
脳梗塞パス(軽症) |
泌尿器科 |
移植腎生検パス |
形成外科 |
乳房再建術(インプラント・エキスパンダー)パス |
麻酔科 | 三叉神経ブロック(下顎・上顎)パス |
救急医療科 |
CPA初療パス |
リプロダクションセンター |
MD-TESE(リプロ一泊二日)パス |
総合がん診療センター |
がん性疼痛緩和パス |
褥瘡対策委員会 |
褥瘡予防パス |
地域連携パス一覧
(2021年4月24日現在)
消化器内科 |
埼玉県がん地域連携パス:胃がん |
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泌尿器科 |
埼玉県がん地域連携パス:前立腺がんPSA経過観察 |