第2回 子どものこころ診療センターセミナー5月15日(日)報告

2011.06.09

第2回はもともと3月26日に開催予定していましたが、東日本大震災直後であり延期し、テーマも「災害による子どもと家族のストレスへの対応」に変更、平成23年5月15日日曜日、獨協医科大学越谷病院の会議室で開催いたしました。

当日は、日曜日の午後にも関わらず会場は満員となり、出席者の熱気が伝わってきました。
今回、我々がもっとも意図したのは、災害後我々がいかに普通の生活に戻れるか?でした。
まず、こころの診療部教授 井原裕先生が、「災害後を生きる:トラウマと思春期」と題して、いつものように分かりやすく、丁寧に震災を受けた人の心理経過(茫然自失、ハネムーン、幻滅、そして再建)、災害後に我々のすべきことは?「本来の生活・1日を忙しく過ごす、行動により不安への直面化を避けるなど」ポイントを解説しました。

質疑応答では、福島から埼玉県へ避難している住民のケアのボランティアをしている方から、現実に子どもたちが「不安を訴えていること」が述べられました。
次に、作田が、「発達障害の子どもへの対応」を解説。実際に獨協医大受診中の発達障害と心身症の子どもたちの反応の違いなどをお話ししました。
臨床心理士の田副先生は、リラクゼーションの技法として「自律訓練法」を実技を交えて楽しく教えていただきました。

最後に、災害後のどんよりした気持ちは会場に来ていただいた皆さん自身がお持ちであろうと考え、噺家の林家たけ平さん(実は、私の友人)に特別講義?として、落語ってこんな表現をするんですよ、という入門編から、後半は「目薬」という夫婦の話をしてもらい、会場爆笑のうちに閉会となりました。
閉会の挨拶の時、会場の皆さんの顔が、本当に生き生きと笑い顔に満ちていたのが、私にとっても嬉しく、励みになりました。来場して頂いた方々に心より感謝申し上げます。 今後、子どものこころ診療センターは、災害後の子どもたちの心のケアに取り組んでまいります。問題のあるお子さんがいて、対応に困っている方はご連絡ください。

次回のセミナーは、8月27日土曜日「発達障害の子どもたちの問題:ぎこちない運動、睡眠障害、対人コミュニケーションを学ぼう」を越谷コミュニティーセンターで行いますので、ご興味ある方は、早めにご予約お願いします。

(作田 亮一)