子どものこころ診療センター

2011.01.24

子どものこころ診療センターは、2009年に小児科神経グループの「発達・心身症」部門が独立した形で誕生しました。
すでに約2年が経過。その間、特別宣伝しませんでしたが子どものこころ診療のニーズは増すばかりです。
特に学校不適応の子どもたちの相談が多くなっています。

子どもたちの環境は私の子どものころ(昭和31年生まれ)と比べて飛躍的に良くなったのにどうして?色々学説はあります。
私のこれは印象でしかありませんが、ここ2-30年に日本という国が経済的に十分豊かになってしまった?ことが一番関係あるのだろうと思います。

豊かになったのに、何か達成感が得られない今の日本。不況、不況と言っていますが、たくさん物が溢れ欲しいものは手に入る。
貧乏というけれど、どうにか暮らしていける。
2番じゃダメなんですか?と言いつつも中国にGDPで抜かれたと騒ぐ。
ゆとりある社会を目指していたんじゃないの?矛盾だらけ。
どうしても自信が持てない日本人。働いても、働かなくても同じ、という閉塞感。
上を向いて歩けない大人。

子どもたちは大人を見て育っていきます。子どもたちに「生きていれば必ず自分をもっと生かせる未来がある!」という夢を持ってもらいたい。
そして、動けない子どもさんたちのご両親の苦労を一緒に聞いていくこと。これしか、今の私にはできませんが、これからも「夢」について考え続けていきたいと思っています。
センターを訪れるすべての子どもたちが「風が吹いてもぐっと踏ん張っていられる」子どもたちになって欲しいですから。

(作田 亮一)